〜Industrial Trend 〜

半導体FPD業界が牽引する真空機器業界
2006年の受注額は前年比129%の8,209億円



  「真空下の諸現象を利用した装置産業、これを構成するコンポーネント産業および付帯するサービス産業」と定義されている真空業界は製造業の中でも意外と存在が知られていない。というのも2002年3月に真空機器製造業が初めて日本標準産業分類へ登録されることが告示され、真空装置、真空ポンプ、真空装置用部品、真空装置附属装置等を製造する事業が分類されたからだ。真空装置には真空冶金装置、真空化学装置、真空蒸着装置、スパッタリング装置、ドライエッチング装置、CVD装置、イオン注入装置などが含まれる。これらの真空機器は様々な産業で活用されている。例えば眼鏡レンズには明るく見やすくするためにレンズ表面に緑や紫色の膜が、CDやDVDには銀や茶色の情報読取りのレーザ光の反射膜が付けられている。液晶テレビやプラズマテレビの画面は幾重にも重ねた膜を加工して作られていて、これらの膜は全て真空薄膜形成装置で作られる。また、プラスチック製品の成形は真空成形機で作られている。医薬品やインスタント乾燥食品の製造には真空凍結乾燥装置、高原野菜の冷却輸送には急速真空冷却装置が使われている。これらの製品を製造するためには真空機器が欠かせないものとなっている。こうした真空機器の受注、売上額を(社)日本真空工業会の統計データにより ...

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