〜特集:「医用検体検査装置に使われる板金達」〜

人工透析装置の板金筐体を加工
バリ対策からパンチング主体の加工を行う

 森精工株式会社



20年前にブランク加工のFMSラインを構築
森 俊幸社長と山田和幸部長  人工透析装置に使われるベース、筐体、カバーなどの板金製品が売上の半数以上を占め、他に貨幣処理機、計測機器、事務機器などに使われる精密板金製品の加工から溶接、カシメを含めた組立を行う板金総合メーカー。99年に国際的な品質規格ISO9001の認証取得工場となり、今年中には環境規格ISO14000の認証取得を目指している。2001年に3代目社長となった森俊幸氏は専務時代から板金加工の自動化、合理化に取組んできた。その一例は20年以上も前に業界に先駆けてキトー製自動倉庫にタレットパンチプレス2台、BLS(ブランキングシャー)で構成するブランク加工のFMSラインを導入したこと、そして現在は10列10段の自動倉庫MARSに連動したレーザパンチ複合機APELIO3 -357VNT+MP1335NJ (3kW発振器、2000年導入)ライン、2006年2月に導入したレーザパンチ複合機EML-3510NT+RMP-48M/TK+MARS(5列8段)ライン、2004年に導入したタレットパンチプレスEM-2510NT+ASR-48Mラインでブランク加工を24時間連続して行う体制を構築している。それ以外にブランク加工では試作や単発の仕事に対応するために96年に導入したレーザパンチ複合機APELIO3 -357V(2kW発振器、96年導入)、2003年に導入したレーザ加工機LC-1212α3NT各1台を単体で導入、リピート生産から試作まで幅広い加工内容を短納期・高品質で行っている。ブランク加工後の曲げ加工に対しては2004年に導入したFBD3-8025NT、2005年に導入したFBD3-8020NT、HDS-8025NTなど3台のネットワーク対応型をはじめ10台のベンディングマシンが対応している。

レーザ加工によるシャープエッジを両面研磨でバリ取り
EML-3510NTではTKを使ってミクロジョイントレス加工を行う  医療機器関連では5年ほど前からSUS304/430が多用されるようになった。本来であればレーザ加工が効果的なのだがレーザで加工すると製品断面のエッジがシャープになりすぎ、製品として出荷された場合に病院関係者やメンテ作業関係者がエッジでケガをする危険性があるため、その予防策としてレーザ加工断面の両面のバリ取り作業が必要になる。しかし、両面をバリ取りするのは大変な作業となるため、レーザからパンチング加工に変更、抜き方向にダレを付けることでバリ取り作業は片面だけにして、作業の合理化を図った。その作業でも工数が掛かるため、現在ではフラッダー社製の3次元バリ取り装置を導入している。また、タップなどの2次加工には昨年導入したEMLのマルチタップ装置を使用する複合加工でも対応できるが切削タップ加工では発生する切粉が品質に影響する。また ...

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