〜特集:「画像診断装置の板金部材調達」〜

vFactoryによる見える化で稼働率を改善
使用金型を分析することで段取りの標準化をはかり、
アラーム情報の解析で機械停止時間を1/3に削減

株式会社大島



経験や技能を機械で補う
上左:宮地剛課長 上右:大島要部長 下左:大島亨社長 下右:町田昭義工場長  量産のプレス加工では金型と設備さえあれば中国などの労務費の安い途上国でも仕事はできる。いつまでもプレス加工に頼ってばかりではいけないと考え、多品種少量生産の精密板金加工業を創業した。しかし、精密板金の経験者がいないという現実の中で大島社長は、経験や技能を機械で補う事を考えた。

不慣れな板金加工に戸惑う
 精密板金加工を手がけて戸惑ったのはプレス加工とは違って品質のバラツキが大きいこと。±1/100〜5/100のプレス加工精度に対して板金加工の一般公差は±0.1〜0.2だった。プレス加工なら転写する金型の精度がそのまま製品に反映され、ロットのどこで抜き取り検査しても誤差はなく、常時1/100〜5/100の精度を維持することができた。ところが板金は作業者が交代したり材料のロット変更、外気温などの雰囲気によっても加工精度が大きくバラつくことが判明。また、曲げ工程を繰り返すことで累積誤差が増え、±0.2の精度を出すのも大変な作業になった。加工機の繰り返し精度を改善することをはじめ、機械設備で対応できるところはできる限り最新の設備に入れ換えたが、作業者の技量を一定にすることには時間がかかった。

モノづくりを事務所主導に変える
製品例 スタート当時は板金経験者が少なかったが、中途採用者をはじめとして次第に経験者が増え、経験者を主体に現場主導のモノづくりが定着していった。その結果、受注した仕事が段取りの都合で納期どおりに生産できないという事態が発生するようになってきた。こうした納期管理をやっていたのでは、得意先の信頼が得られないと感じた大島社長は、受注の負荷をコンピュータ管理で山積みし、納期順に差し立て処理を行い、受注から出荷までを管理する生産管理システムを導入した。一方で現場に対しては加工順をできる限り、得意先、材質・板厚別に板取りしてプッシュ生産させるために、先頭工程であるブランク工程に関しては事務所の自動プログラミング装置で作成したパーツデータを、生産管理システムの計画に従って多数個取りやネスティングデータとして加工機に転送、 ...

つづきは本誌2007年1月号でご購読下さい。