〜特集:「画像診断装置の板金部材調達」〜

医療機器−画像診断装置の板金部材調達の現状
中国生産へシフトするトレンドが顕著に



アンケート1  医療機器の国内市場は、現在2兆円弱の市場規模を示しており、91年〜 98年までは年平均5.5%の成長率で市場を拡大してきた。しかし、99年及び2000年はマイナス成長となり、その後の市場は横ばいで、頭打ち傾向が続いている。国内市場の低迷は、画像診断装置や各種検査装置・計測装置などの診断系医療機器の落ち込みが主な要因と言われている。その背景には、他産業と同様に景気後退の影響はもちろんだが、医療保険制度の財政悪化が大きく影響しているといわれている。医療機器のユーザーである医療機関の経営環境は、昨今ますます厳しさを増しており、倒産件数も増加している。そのため、医療機関は一層の経費削減を迫られており、医療機器の設備投資も当然削減されることとなり、これが大きな要因ともなっています。その一方でこれからの高齢化社会や高福祉社会では医療が重要なテーマであり、医師や看護士不足が問題となっている中では医療機器産業は成長しつづける産業といわれている。2月号で紹介する画像診断装置、X線CTやMRI等は欧米のメーカーGE、シーメンス、フィリップスなどが大きな市場シェアーを占めていることもあり、国産メーカーは主要4社に絞られている。欧米メーカーの一部は国内メーカーとの合弁会社を設立して国内生産も行っているが、製造原価低減もあって生産の主体は次第に中国へシフトする傾向も顕著になっている。そこで、加工部品の中核を占める板金部材の調達動向と原価低減に対応した板金モノづくりの現状を紹介する。

人の健康を守るデバイス
アンケート2  人間の健康を守るデバイスである医療機器に注目が集っている。病院向け医療機器ではガン、循環器系、脳疾患系など状況次第では致命的となる病気の診断、治療をより正確・効率的に行うため画像処理技術を応用した先端医療向け装置が進歩を遂げ、技術革新が進んでいる。最近、それらの疾病に対応する予防医学が進んできているが、それらを支えているのも、そうした最新の医療機器。一方、生活習慣病の予防という観点から血圧、心拍数などの生体情報、食事のカロリー摂取量情報などに基づいた健康管理、また成人病を予防するというコンセプトのヘルスケアモニターが登場するなど、家庭用の医療機器も浸透し始めている。今後は自宅と病院の医療機器をデータリンクさせるとともに処方箋を電子化してオートメーション化が進むことで、ITを応用したさまざまな ...

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