〜新春座談会 京都板金ユーザーに聞く〜

07年も緩やかに回復する
機械稼働率改善には工程間のリレーションが重要



 精密板金加工業者の数が多い京都で活躍する板金加工業者3社4名の経営者に集っていただき、07年の業績見通しやモノづくりの変化に対する対応などに関して話し合っていただいた。
司会
 先ず06年の業績動向と07年の見通しからお話ください。
07年も売上増 ケイテイエフ・奥田社長
左から有限会社今西鉄工所 専務取締役 今西文彦氏、株式会社村上製作所 代表取締役社社長 村上敏幸氏、株式会社ケイテイエフ代表取締役社長 奥田忠男氏、株式会社ケイテイエフ 代表取締役常務兼工場長明石匡史氏
奥田
 06年に関しては40%近い増収となりました。しかし、当社で受注する仕事の70%がステンレス材を使用するため材料価格の高騰が利益を圧縮しています。鉄鋼に関しては価格も少し落ち着いていますが、ステンレスは原料のニッケル価格が猫の目のように変動するので毎週価格が変動し価格が定まらないので見積に反映する材料費が定まらない。価格改定を見込んだ見積を出す訳にはいかないので困っています。結局半期ごとに変動した費用を遅れて転化させて戴いています。しかし、得意先からは発注される製品ごとにコストダウン目標を提示されるので材料価格の値上げに対応した価格改定もなかなか通らないのが実情です。『コストダウンはしないから材料費の上昇を社内努力で吸収して下さい』というような話しを得意先からされる場合もあります。06年は増収増益となりましたが利益率は落ち込んでいます。07年に関しても得意先からは06年のような受注状況が続くのではいかというお話も戴いており今年程の伸び率ではないと思いますが、売上増を見込んでいます。利益率に関しては更に厳しくなっていくと予想しています。

07年も緩やかに回復 村上製作所・村上社長
村上
 当社は1月決算です。当社も奥田社長のところと同じように加工する製品の材料としてステンレスの割合が70%近くを占めています。そのため材料価格が高騰するのと価格変動が頻繁に行われるので受注単価へ反映させるのが難しく利益率は落込んで横バイか微増です。売上に関しては前年同期比で20%増となりましたが同じような伸びで利益率は改善していません。07年に関しては今年の横ばいか、もしくは微増ということを考えており、あまり心配しておりません。材料価格に関しては異常なところもあるので若干は価格に反映させて戴いています。しかし、どうしても ...

つづきは本誌2007年1月号でご購読下さい。