〜視点〜

2007年新春

 2007 年明けましておめでとうございます。小誌は1 月号から題号を「Sheet Metal & digitalbankin.com」に改め、編集内容も合わせ誌面を大幅に一新しました。「板金とデジタル板金」と固有名詞がダブルようにも見えますが、07 年問題の年を迎え「熟練技能者のスキルをデジタル化して技術伝承を進めていく」というテーマに基づいて、これからの板金は「デジタル板金」を訴えていこうと考えています。そうした意気込みから、このタイトルに決めました。
 1 月号の新春アンケートに寄せられた回答や企画で行った対談の中で多くの業界人から「板金業界のイメージアップ」「業界ビジョンづくり」に意見が集りました。政府も現在、製造業の将来ビジョンの策定作業を進めていますが「板金」というとどうしても「鈑金」という30 年以上も前に職人がハンマーで叩いて形状を打出したり、ポンチで穴あけしていた頃の手板金のイメージが一般の人たちにあります。サポートインダストリーとして金型産業や金属プレス加工業界と同等の売上規模を持つ業界でありながら「板金」業界はこれまで一歩下がった業界というマイナーなイメージで捉えられていました。多品種変量生産が進むと金型を使ったプレス加工は次第に労務費の安い海外へ生産移転され、国内に残るのは型費の償却が難しい小ロット製品、または、継続性のない単発の仕事しか残らなくなっています。さらに安全、安心、環境といった課題が求められてくると、あらゆる産業機械や装置が板金カバーで覆われてくるようになり、板金の出番が多くなり、市場規模は拡大していきます。それだけに、これからの時代は「板金新時代」として「板金」のイメージアップを図り、産業界はいうに及ばず、日本経済の背骨の一つとして「板金」を国民的合意の下に日本の戦略産業として発展させなければなりません。
 そのためにも「Sheet Metal &digital-bankin.com」は板金業界の専門業界誌として「板金」を広く世の中に広めるとともに認知度を向上させるために、板金関連の情報発信を拡充していくことを考えています。
 そこで編集部では1 月号からの編集基本方針として、
@従来にも増して業界トレンド情報の拡充に務める。
A技術、技能のデジタル化に成功したお客様紹介の充実を徹底して追及します。
それとともに、日本の優れたデジタル板金技術を広く海外に紹介するため雑誌コンテンツの英語化を目指していきます。また、10 月号でも表明しましたが雑誌本来の購読料金での自立を目指し、商業誌としては逸脱しますが企業からの広告を基本的には掲載しません。できる限り情報を満載して読者の仕事に役立つ雑誌作りを目指します。
 それとともに、「板金」のイメージアップを進めるため、雑誌発行以外にいろいろなイベントの企画を検討すると同時に業界内で同じような志で活動している企業、団体との連携を模索します。
 今年の干支は「亥」。目標を定めたら、迷わず突き進みたい、と決意しながらも猪突猛進にならないために、皆様から倍旧のご指導、ご鞭撻をお願いします。