〜INTERVIEW〜

人とのつながりがビジネスという夢に広がる

服部工業株式会社
専務取締役 服部太志氏 代表取締役 服部元巳氏


55歳で一線から退役予定
以前から「55 歳になったら製造業ではなく商社の仕事がしたい」と公言しておられる服部社長。55 歳まで後5 年とカウントダウンが始まった今、現状の仕事とご子息に叩き込まれている帝王学の進み具合、交際範囲の広い社長のその後の展開など、現実問題と、お正月らしく夢を聞かせていただいた。
 「最近、新規物件の見積りが増えています。業務用の厨房機器や以前は金物商社が手がけていたような物など様々。業務用炊飯器は排煙筒がついた形状をしていますが、事前に細かく打ち合わせしていなくて失敗、以後詳細な仕様を打ち合わせして、今、工場の方で組み付けるだけに仕上がってきています。そういった物件も息子( 専務取締役 服部太志氏) が北海道のワールド山内さんにお世話になり、修行をさせていただいたお陰で円筒形状の製品も作れるようになり仕事の幅が広がって、喜んでいるところです。これはある鉄鋼大手企業と当社がタイアップして、自動車タイヤメーカーに提案したホイールを展示する展示用のラックシステムです。色々なデザイン案を提案して、受注しました。タイヤメーカーも鉄鋼メーカーもそうだけれど、ライバルメーカーが現物をもう既に中国で作っていて、それを見てホイールラックを中国で作ったら安くできると考えて試作を中国で作らせました。ところが検査したらラックに取り付けたフックがポロッと落ちてしまった。そこで試作を重ね承認をもらい、当社で角パイプ構造で作ることにしました。当面はタイヤメーカーさんの販売店や直営店に設置することになりますが、それだけで600 台必要です。デザインが面白いので他のタイヤメーカーや自動車部品を扱う販売店に広がる可能性があります。12月 25日にまず、150台、1 月25 日に残り450 台納品の予定で工場は動いています。中国で魅力があるのは加工賃だけで仕上げなどの面ではまだまだ日本に及びません。中国での生産も3 年足らずで人件費が高騰して私の思惑と外れてきました」。

中国でも業種違えば爆発的発展
  「同じ中国でも日系でやっている従来からのガスコンロのプレス加工は順調で毎月20 万個ずつ出しています。7 月に出した10 万個の不良が先月発覚、それを一個ずつ、良品と不良品に選別して対応しました。原因は樹脂部の不均一。5/100 の精度不良、現地で直させて対応しました。もっと危機感を持て、と思いますよ。しかし悪い話ばかりではありません。天津で金型工場をやっていている友人の会社は1 年で1 億円、2 年で3億円、3 年で5 億円、2010 年には30 億円の売上になるといっています。天津といえば ...

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