社員が自由に動きフォローし合える「サッカー型」の企業を目指す
3倍の広さになった新工場 ― 最新設備で人に役立つものづくりを
伸商機工 株式会社
新工場の操業を開始 ― 広さは3倍に
伸商機工㈱は5月7日、昨年10月に着工した新工場の操業を開始した。新工場は、旧工場から4㎞ほど離れた場所に新設された。敷地面積は約3,076㎡で、工場床面積は1,057㎡。旧工場の3倍の広さを生かし、加工能力の50%アップを目指す。
ブランク工程には、2024年5月に導入したファイバーレーザ複合マシンACIES-2512T-AJにバラシ・仕分け作業を自動化するテイクアウトローダー付きサイクルローダー2棚仕様(AS/ULS-NTK)のほか、2018年に導入したファイバーレーザマシンENSIS-3015AJにフォーク式パレットチェンジャー(ASFH-3015G)を後付けした。
「作業者がいる日中は、端材の手差し加工を含めた多品種小ロット品を生産し、夜間は量産品の加工を無人で行う『半自動化』の生産ライン」(宮川岳洋社長)で生産性を向上した。このほかにパンチングマシンAC-255NTなどの板金加工設備も旧工場から移設した。
夜間稼働により生産量が増えるブランク加工品に対応するため、曲げ工程には自動金型交換装置(ATC)付きサーボベンディングマシンEGB-1303ATCeを導入した。
こうした最新設備の導入で、秋口以降に期待されている半導体製造装置の需要回復を見据え、収益拡大に向けた生産体制を構築した。
大学在学中に事業承継を意識 ― 28歳で入社
同社は宮川社長の父・宮川定也氏が1976年に設立した。大手建材メーカーに勤務していた宮川氏は、母親が亡くなったのを機に郷里の須坂市に戻り、家を継いだ。帰郷してからは設備工事の仕事を手がけていたが、県内外の施工現場に出かけるため留守がちで、激務により体調を崩したため、ひとつの場所で事業ができる板金加工業をスタート。その後は地元の通信機器メーカー、半導体製造装置メーカー、金型メーカーとの取引などで成長してきた。
「子どもの頃、夏休みになると工場の仕事を手伝いに行って楽しく過ごしたことを思い出します。従業員さんが戦艦ヤマトをつくってくれたりして、仕事場の印象は良かったです。地元の高校を卒業後、東京の大学で学びながら、体育会系のサッカー部で活動しました。当時は家業を継ぐことはあまり考えていませんでした。しかし、父が網膜剥離の診断を受けたことを知り、家業を継ぐことへの意識が高まりました」。
「大学卒業後は地元の金型メーカーに入社。プロファイル研削盤やパワープレスの操作、半導体製造装置の組立工程などを4年ほど経験しました。2001年に28歳で当社に入社し、シャーリング、セットプレス、パンチングマシン、レーザマシンなどを使った作業を経験しました」(宮川社長)。
会社情報
- 会社名
- 伸商機工 株式会社
- 代表取締役
- 宮川 岳洋
- 所在地
- 長野県須坂市大字米持156番地1
- 電話
- 026-246-8899
- 設立
- 1976年
- 従業員数
- 30名
- 主要事業
- 機械部品設計・開発、加工提案、ブランク加工、曲げ加工、溶接、レーザ加工、筐体フレーム加工機械カバー、板金筐体などの加工・溶接・組立
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