※この記事は、「Sheetmetal メールマガジン」No.35(2017年2月1日配信)からの転載になります。
厚生労働省が1月31日に発表した2016年12月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0.02%上昇の1.43倍で、1991年7月以来、25年5カ月ぶりの高水準となり、労働力不足が深刻になっています。
その一方で政府は、長時間労働を是正するため、労使による36協定が結ばれていても残業時間の上限を規制する案を検討しています。
そこで、人手不足が深刻な中小製造業では、機械化・ロボット化によって省人化と合理化を行うケースが増えています。
こうした動きは日本だけの現象かと思っていたら、同様の事態がお隣の台湾でも起きています。
台湾の労働基準法が昨年12月6日に改正されました。
改正案における「週休2日制(「一例一休」)の導入」が12月23日より先行して施行され、その他の部分(休日出勤時の時間外手当の大幅引き上げなど)は、一部の例外を除き1月1日より施行されました。
今回の改正案の実施にともない、1月中旬現在、週休2日制、休日出勤時の時間外手当の大幅引き上げなどの改正措置により引き起こされている物価上昇、雇用主の深刻な負担、残業代を稼ぎたい労働者が逆に残業できなくなってしまう ― などに対する不満が続出しています。
台湾政府はさらに改正措置を採る可能性があるようですが、産業界の混乱が続く気配となっています。
労働力不足に加え、今回の「一例一休」による労働コストの上昇は、台湾板金業界のコスト競争力に深刻な影響を与え始めています。
そのため、これまでのような国際競争力を備えるためには、さらなる機械化・ロボット化による自動化・省人化に取り組まなければいけなくなってきました。
多くの板金企業が、改正労働基準法について議論する前に、労働環境の変化に対応し、IoTを活用した積極的な機械化・自動化・ロボット化に対応した行動を起こすべき時が来たと考えるようになっているようです。
日本はもとより台湾の板金業界でも、変化の激しい、タフでチャレンジングな2017年は、変革と挑戦の年にしなければならなくなっています。