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IoTサポートでマシンを止めずに稼働率向上を実現

V-factoryに接続して、曲げ工程が劇的に変化

複雑な曲げはロボット、ATCが対応し生産性を向上

株式会社 タカノ

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画像:V-factoryに接続して、曲げ工程が劇的に変化2016年、2017年に導入した2台のベンディングロボットシステムHG-1003ARsもV-factoryにつながっている

積極的な設備投資で生産性を向上

画像:V-factoryに接続して、曲げ工程が劇的に変化髙野泰大社長

㈱タカノは1972年に、現会長の髙野裕二郎氏が長野県岡谷市川岸でタカノ住宅設備機器として創業した。1978年に法人化し板金加工を始めた。1983年には岡谷市川岸上に新工場を建設して移転、社名を「㈲タカノ」に改め精密板金加工にシフトした。1990年には長野県松本市和田の松本臨空工業団地に全面移転。1997年には第3工場を取得、変種変量生産対応型工場とした。2000年には第2工場を建設し、2001年には株式改組した。

2013年には髙野会長の長男である髙野泰大氏が2代目社長に就任した。2015年には3,000坪の土地を取得し、2016年に加工・組立工程の作業効率改善を目的に敷地面積1,000坪のSheet Metal工場を新築。複合マシン4台やベンディングマシン10台以上を導入した板金加工ラインを実現し、生産性向上につなげた。

レーザ加工に特色を出し、パンチ・レーザ複合マシン5台のほか、レーザマシンやパイプ加工用レーザマシン、YAGレーザ溶接ロボットなど7台を活用している。

また、曲げの自動化にも積極的に取り組んでおり、HG-1003ARsとEG-6013ARを相次いで導入、ベンディングロボット4台体制となった。さらに、2019年導入の自動金型交換装置付きベンディングマシンHG-1003ATCのほか、HDS-1303NT、HDS-1703NT、HDS-8025NT×5台など計20台のベンディングマシンを活用するなど、設備力も拡充している。

  • 画像:V-factoryに接続して、曲げ工程が劇的に変化本社工場はベンディングロボット2台とベンディングマシン1台がVC-Boxを介してV-factoryにつながっている
  • 画像:V-factoryに接続して、曲げ工程が劇的に変化夜間の長時間無人稼働に対応できるよう、HG-ARsには6mのアンローディングコンベヤーを2本備えている

今年度は過去最高の売上を見込む

同社では現在、主にステッパーなどの半導体製造装置やクリーンルーム内搬送装置、酢合わせ機・シャリロボットなどの食品機械、医療現場で利用されている検体検査装置関連の板金製品を加工している。

2020年、2021年は新型コロナの影響を受けてサプライチェーンが混乱し、検体検査装置などの医療機器関連は部品の調達難により20%程度減産した。しかし、半導体製造装置やクリーンルーム内搬送装置の仕事が増え、2021年度の売上高は16億円となった。2022年度は医療機器関連が海外向けを中心に増産傾向となっている。さらに半導体製造装置、クリーンルーム内搬送装置関連が大幅な増産傾向となっており、「5月以降は大幅な増産になりそうだ」(髙野社長)という。

このため、「2022年度の売上は16億5,000万円を見込んでいますが17億円程度まで上振れする可能性もあります」と髙野社長は予測している。

「ウクライナ侵攻による鋼材価格、燃料価格の高騰による電力料金の値上げ、レーザガスに使用されているヘリウムガスの供給不足などが不安要素です。鋼材は高炉メーカー直系の商社から購入しています。電力も自由化がはじまったころに価格面を考慮して、新電力会社をはじめとして契約先を変更することも考えましたが、結果的には地元の電力会社との契約を更新しました。そのかわり、本社工場屋根に発電量100kWの太陽光発電システムを設置しました。発電した電力を20年契約で売電すれば、年間1,000万円ほどの収入になります」(髙野社長)と変化への備えは十分のようだ。

画像:V-factoryに接続して、曲げ工程が劇的に変化左:半導体製造装置のアルミ製品のTIG溶接作業/右:3次元CADデータをもとに自社開発したデジタル屋台

会社情報

会社名
株式会社 タカノ
代表取締役社長
髙野 泰大
所在地
長野県松本市和田3967-73松本臨空工業団地内
電話
0263-48-1500
設立
1978年(1972年創業)
従業員数
130名(技能実習生含む)
主要事業
アルミ加工(パイプ・板金問わず)、アルミ溶接、半導体製造装置・フレーム筐体・クリーンの板金組立、最長6m角・丸パイプのレーザ穴あけ、切欠き、切断、自由曲線切断、溶接・組立加工、医療機器、食品機械の板金加工
URL
http://www.takano-s.co.jp/

つづきは本誌2022年6月号でご購読下さい。

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