特集

IoTサポートでマシンを止めずに稼働率向上を実現

「IoTサポート」をフル活用 ― 問い合わせ内容が会社の資産に

4m対応のEML-AJを導入 ― 今後は稼働分析・運用改善へ

株式会社 たつみ電機製作所

LINEで送る
Pocket

画像:「IoTサポート」をフル活用 ― 問い合わせ内容が会社の資産に2021年1月に導入したファイバーレーザ複合マシンEML Z-2515AJ。4,000×1,500㎜までの材料に対応する特殊仕様で、大型製品を得意とする同社を象徴する中核設備となっている

4m対応のEML-AJを導入 ― V-factoryに接続

㈱たつみ電機製作所は2021年1月、ファイバーレーザ複合マシンEML Z-2515AJを導入した。4,000×1,500㎜までの材料に対応する特殊仕様で、自動金型交換装置(PDC)、8段のサイクルローダーとテイクアウトローダー(ASR-3015NTK)付きの自動化システムとなっている。導入後35年が経過したパンチングマシンCOMA-557Ⅱとの入れ替えで、これにより同社のブランク工程はEML-AJ、パンチ・レーザ複合マシンEML-3610NT、パンチングマシンCOMA-567の3台体制となった。

EML-AJは、アマダのIoT「V-factory」に標準で対応する「Vfマシン」。マシンの稼働状態・稼働実績・健康状態などを“見える化”できる「My V-factory」と、予防保全・早期復旧支援やチャットでの問い合わせ対応といった「IoTサポート」を利用できる。

同社では「IoTサポート」のチャットによる問い合わせをフル活用し、EML-AJを運用する過程で発生した疑問や不具合の解消に役立てている。また、今後はEML-NTもV-factoryに接続することで、「My V-factory」からEML-AJとEML-NTの稼働実績を分析し、さらなる運用改善につなげていこうとしている。

画像:「IoTサポート」をフル活用 ― 問い合わせ内容が会社の資産に左から、製造事業部長の坂内芳憲常務、製造一課の渡辺浩課長、同・渡辺聡彦係長、佐野雄彦社長

  • 画像:「IoTサポート」をフル活用 ― 問い合わせ内容が会社の資産に渡辺係長は「IoTサポート」の問い合わせ機能をフル活用し、問い合わせた内容は会社の“ナレッジ”として蓄積・管理している
  • 画像:「IoTサポート」をフル活用 ― 問い合わせ内容が会社の資産に曲げ工程。4m対応のベンディングマシンを3台、3m対応を2台、設備している

防音パネル・防音ボックス・受配電盤 ― 大型製品にワンストップで対応

同社は主に①防音パネル、②防音ボックス(エンクロージャー)、③受配電盤の3分野で事業を展開している。創業75年余の実績に裏づけられた技術力には定評があり、設計から板金加工、溶接、塗装前処理、塗装、組立・配線、仕上げ、試験、保管までワンストップで対応できる強みを生かして、名だたる大手メーカーから高い信頼を得ている。

現在の売上構成は、①防音パネルが約50%、②防音ボックス(エンクロージャー)が20~30%、③受配電盤が20%程度。長さ4,000㎜の防音パネルや、高さ4,000㎜を超える防音ボックスのような大型製品を得意とし、L13,000×D6,000×H5,000㎜の防音ボックスを製作した実績もある。

防音パネルは、道路・鉄道などの交通インフラ向け防音壁や、建設・土木工事プラントで騒音対策と美観を保つために用いられる。大規模な建設・土木工事プラントでは、1カ所あたり数千枚もの防音パネルが必要になる。標準的なサイズは1×4m。材質はSPHC、板厚は1.6㎜と3.2㎜の2種類があり、工事現場では3.2㎜、資材倉庫では1.6㎜というように、求められる防音性能によって使い分ける。重量は1枚あたり150~200㎏にもなり、月200枚以上生産している。

防音ボックスは、設計から加工、組立、防音試験まで社内で一貫して対応でき、すべてのプロセスに対して品質的な保証ができる。2016年頃からは水素製造装置に使用する防音ボックスも手がけるようになった。通常はSPHCの板厚2.3㎜や3.2㎜を使用するが、エンジン付近のように音が大きい部分には、板厚4.5㎜や6.0㎜の鋼板を用いたり、鋼板を1枚追加したりして防音性能を高める。

  • 画像:「IoTサポート」をフル活用 ― 問い合わせ内容が会社の資産に溶接工程。主にCO2(半自動)溶接を使用する
  • 画像:「IoTサポート」をフル活用 ― 問い合わせ内容が会社の資産に塗装工程。粉体塗装を基本とし、2つの塗装ブースと乾燥炉により最大長さ5,000×高さ2,000㎜の製品に対応する

会社情報

会社名
株式会社 たつみ電機製作所
代表取締役会長
佐藤 和亘
取締役社長
佐野 雄彦
所在地
静岡県富士市木島595-1
電話
0545-56-2300
設立
1952年(1946年創業)
従業員数
73名
主要事業
高低圧配電盤・制御盤の設計・製作、道路・鉄道および民間向け防音パネルの製作、各種大型防音ボックスの製作、パワーコンディショナーなど屋外収納ボックスの製作
URL
https://tatumi-el.jp/

つづきは本誌2022年6月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

特集記事一覧はこちらから