特集2

コンパクトファイバーレーザマシンBREVIS-AJ導入事例

初めてのレーザマシンとしてBREVIS-AJを採用

トータルコーディネートが強み ― 加工領域拡大により内製化率が5倍に改善

古川電気工業 株式会社

LINEで送る
Pocket

画像:初めてのレーザマシンとしてBREVIS-AJを採用2021年8月に同社初のレーザマシンとして導入したコンパクトファイバーレーザマシンBREVIS-1212AJ。生産能力の増強と加工領域の拡大を実現し、内製化率は10%から50%に改善した

初めてのレーザマシンとしてBREVIS-AJを導入 ― “第2創業”へ

画像:初めてのレーザマシンとしてBREVIS-AJを採用代表取締役社長の古川智健氏

古川電気工業㈱(FeIT:フェイト)は2021年8月、オールラウンドコンパクトファイバーレーザマシンBREVIS-1212AJを導入した。

BREVIS-AJは同社初のレーザマシンで、ブランク工程をパンチングマシンとの2台体制とすることで、生産能力の増強と加工領域の拡大を実現。これまで外注や支給品に頼っていた中・厚板や複雑形状の製品、ステンレス・アルミ・銅・真鍮といった難加工材の加工を社内に取り込むことで、2017年から本格参入した精密板金加工事業の充実をはかった。

BREVIS-AJを導入してから半年が経過した時点で、一時は90%を占めていた外注比率は50%まで下がった。レーザマシンならではの自由な板取りや、端材板取り機能i-CASの効果などにより、材料歩留りは20%程度改善した。さらに、アルミや銅など高反射材を容易に加工できるようになったことで、新規受注にもつながっている。

2019年に4代目社長に就任した古川智健社長は「プレスから板金へシフトしてからまだ日が浅い当社にとっては、BREVIS-AJを導入したことでようやく精密板金加工企業としての体裁が整ったと考えています。大げさかもしれませんが、これからが当社にとっての“第2創業”というくらいの心構えで事業にのぞみたい」と語っている。

  • 画像:初めてのレーザマシンとしてBREVIS-AJを採用端材板取り機能i-CASにより材料歩留りは20%程度改善した
  • 画像:初めてのレーザマシンとしてBREVIS-AJを採用工作機械向け通信機器筐体に使用するアルミ・板厚3.0㎜のプレート。高反射材もBREVIS-AJで加工できるようになり、パンチングマシン加工時の追い抜き跡(赤丸部)がなくなった

プレス加工による量産から精密板金加工による多品種少量生産へ

同社は1941年に東京・品川で創業して以来、板厚0.15~1.0㎜の精密プレス加工を主体に、エレクトロニクスパーツや産業機器部品の製作に携わってきた。1994年に横浜・鶴見に横浜事業所を開設してからは、大手電機メーカーの指定工場として、ノートパソコンや移動体通信基地局などのプレス部品を手がけてきた。

2008年からはアクリル、ポリカーボネート、ウレタン、ゴム、シリコンといった化成品の加工(打ち抜き・曲げ)を社内に取り込み、アミューズメント部品などでプレス部品と化成品を組み合わせた仕事にも対応するようになった。

その一方、2000年代後半からは売上の90%を占めていた大手電機メーカーが中国・東南アジアへの生産移転を加速。同社の主力だったプレス部品の仕事は年々減少した。さらに、人件費や材料価格の高騰、製品単価の下落により利益も目減りしていく状況が続いていた。

2010年に入社した古川社長は、事態を打開するため、プレス加工による量産から、精密板金加工による多品種少量への事業転換に挑んだ。2017年には現在地に本社・工場を移転。プレスマシンはほとんど処分して退路を断った。

  • 画像:初めてのレーザマシンとしてBREVIS-AJを採用曲げ工程。手にしているのは半導体製造装置向けステンレス部品(SUS304・板厚2.0㎜)
  • 画像:初めてのレーザマシンとしてBREVIS-AJを採用仕様検討・設計から完成品までの「トータルコーディネート」に取り組むきっかけとなったガス漏れ検査装置の筐体

会社情報

会社名
古川電気工業 株式会社
代表取締役社長
古川 智健
所在地
神奈川県横浜市港北区新羽町3752-2
電話
045-548-6071
設立
1941年
従業員数
10名
主要事業
精密板金加工・精密プレス加工・化成品加工による通信機器筐体・付属部品、コンピュータ部品、半導体製造装置部品の製造
URL
https://feit.co.jp/

つづきは本誌2022年4月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

特集2記事一覧はこちらから