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浜野製作所、開発支援のノウハウを活かし、新たな「ものづくりエコシステム」を構想

“ものづくりの情報の上流”へ向け、従来工法をブランド化

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画像:浜野製作所、開発支援のノウハウを活かし、新たな「ものづくりエコシステム」を構想図1:新たな「ものづくりエコシステム」を通じた連携促進のイメージ

“ものづくりの情報の上流”からコミットする

㈱浜野製作所(東京都墨田区)は、これまで培ってきた開発支援のノウハウを活かし、新たな「ものづくりエコシステム」の構築を目指している。

浜野慶一社長は、東京の大田区や墨田区、大阪の東大阪市など、ものづくりの集積地から急速に中小製造業が姿を消していることに危機感を募らせ、中小製造業が直面するきびしい経営環境からの脱却を模索。自社の強みと東京の“地の利”を生かし、“ものづくりの情報の上流”からコミットすることによって「下請け体質からの脱却と“都市型・先進ものづくり”への挑戦」に取り組んできた。

これまでの取り組みは多岐にわたるが、象徴的なのは2014年に立ち上げたものづくり支援拠点「Garage Sumida」だ。2016年にはベンチャー支援を手がける㈱リバネスと資本・業務提携を結び、「Garage Sumida」を主拠点に、ものづくりベンチャー支援事業を展開。2017年には「Garage Sumida」をリニューアルオープンし、インキュベーション施設としての機能を強化した。

新たな「ものづくりエコシステム」を構想

近年は、主にベンチャー企業へ向けて展開してきた開発支援の取り組みから一歩進め、行政、各種専門家、大学・研究機関、大企業、起業家・ベンチャー企業などが相互に連携してつくり上げる新たな「ものづくりエコシステム」の構想を進めている(図1)

構想実現へ向け、2020年7月には「Garage Sumida研究所」を立ち上げた。「研究所」には同社スタッフだけでなく、大手外資系戦略コンサルティングファーム、大手自動車メーカー、大手シンクタンクで“ものづくりの情報の上流“に深く関わってきた経験者や、大学の教員、公益経済団体のメンバーなどが「研究員」として参加。ものづくりの“周辺”をビジネスに変え、新たな市場創出を目指している。

2020年9月には墨田区と「新・産業コミュニティ形成のための社会実験に関する連携協定」を締結。同区の「ハードウェアスタートアップ拠点構想」の実施にともない、2021年度には東墨田会館の一部にものづくりの開発・製造・実証実験のための新たな拠点を開設する計画だ。

これまでは「研究・開発ステージ」における支援が主だったが、新たな拠点では区内企業等の協力のもと、「量産ステージ」をむかえるベンチャー企業の量産試作から量産組立工程までの本格的な支援を行っていく。また、将来的には地域の課題解決に通じる新しい開発製品・サービスの実証の場としても活用していく。

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