特集2

薄板から厚板まで加工領域を拡大するENSIS-AJ

リネンサプライ機器・配電盤関係の2本柱で成長

ENSIS-AJ(6kW)導入で生産性3倍 ― アルミ材や厚板への対応も強化

有限会社 シンタク技研

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画像:リネンサプライ機器・配電盤関係の2本柱で成長2020年9月に導入したファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ(6kW)+AS-3015G

2019年、37歳で2代目社長に就任

画像:リネンサプライ機器・配電盤関係の2本柱で成長代表取締役の堀川真人氏

リネンサプライ機器の板金部品、電力配電盤の筐体・フレーム、鉄道車両洗浄装置の板金部品などを手がける㈲シンタク技研は、堀川忠延会長が60歳で設立した。

堀川会長は地域の中堅農業機械メーカーで開発部門の責任者を勤めたのち、溶接を中心とする金属加工会社に入社。前職で開発に携わっていた頃のつながりを生かして得意先や協力会社を開拓し、オーナーの信頼を得て経営者に抜擢された。その後、この金属加工会社はオーナーの後継者難で廃業することになり、1999年、社員と設備を引き受けるかたちで新たに㈲シンタク技研を設立した。

2代目社長の堀川真人社長は、堀川会長の子息で、現在38歳。学校卒業後、長崎県の鉄工所に就職し、現場スタッフとして腕を磨いた。この鉄工所は、1人の作業者が1つの製品をつくるために全工程を渡り加工する作業形態を採っており、堀川社長も抜き・曲げ・溶接と板金・製缶のすべての工程に習熟していった。

2006年、堀川社長が23歳のとき、堀川会長(当時社長)から声がかかり、鉄工所を退職してシンタク技研に入社。その2カ月後、アマダスクールが主催する経営後継者育成講座(JMC)第97期を受講した。

第97期は受講者が11人と多く、堀川社長は「これから会社を背負っていく11名がお互いの考えをぶつけ合うのは貴重な経験でした。あれから14年が経ちますが、今も同期のみなさんとは交流があります」と振り返る。

JMC修了後は現場に配属され、前職で身につけたスキルを生かし、即戦力として会社をもり立てた。そして入社13年目の2019年、37歳のときに、堀川会長が80歳をむかえたタイミングで2代目社長に就任した。

  • 画像:リネンサプライ機器・配電盤関係の2本柱で成長ENSIS-AJの自動棚(AS-3015G)の一番上のテーブルを改造し、パイプ・形鋼加工用の治具(写真)を取り付けられる仕様に変更した
  • 画像:リネンサプライ機器・配電盤関係の2本柱で成長パンチングマシンEM-3612ZR T+ASR-3015N

リネンサプライ機器・配電盤関係の2本柱

同社の売上構成は、通常、リネンサプライ機器が40%、配電盤関係が40%、鉄道車両洗浄装置などが20%。得意先は地元企業を中心に15~16社。そのうち売上の大半を占める主要得意先は、リネンサプライ機器と鉄道車両洗浄装置のメーカーが1社ずつ、配電盤関係が4社の計6社となっている。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、全国の宿泊施設の業績が大きく落ち込んだことで、今年4月以降はリネンサプライ機器の受注が完全に止まった。その結果、今も堅調な配電盤関係の割合が60~70%に上昇し、それ以外が30~40%となっている。

「リーマンショックのときよりもずっとひどい状況です。売上の40%を占めるリネンサプライ機器がほぼゼロになったことによるダメージは大きい。今は我慢の時です」。

「ただ、先行きについては、それほど悲観していません。Go Toトラベルキャンペーンが始まり、宿泊施設も動き始めており、10月以降は営業や納品据付、現地の打ち合わせも活発になり始めているようです。他業種の方々の話を聞いても、それほど悪い感触はありません。おそらく年度が変わる頃には上向きになるのではないでしょうか。リネンサプライ機器のお客さまからも、年明け頃から動き始める見込みとうかがっています」(堀川社長)。

  • 画像:リネンサプライ機器・配電盤関係の2本柱で成長洋上風力発電に関連した受配電盤の筐体部品の溶接作業
  • 画像:リネンサプライ機器・配電盤関係の2本柱で成長高圧盤を設置する架台フレーム。形鋼もENSIS-AJで加工している

会社情報

会社名
有限会社 シンタク技研
代表取締役
堀川 真人
所在地
香川県観音寺市池之尻町1443-1
電話
0875-27-6880
設立
1999年
従業員数
14名
主要製品
リネンサプライ機器の板金部品/電力配電盤・制御盤・各種機械のフレーム・板金部品/包装機械・製紙機械の板金部品/その他製缶・板金部品全般

つづきは本誌2020年12月号でご購読下さい。

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