特集

中長期的な発展が見込まれる半導体製造装置と板金加工

半導体製造装置関連が50% ― 11月以降のV字回復に期待

「仕事量が落ち込んだ今こそ設備投資のチャンス」

株式会社 山梨ワークス

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画像:半導体製造装置関連が50% ― 11月以降のV字回復に期待①半導体製造装置の部品。半導体製造装置関連の売上構成比は約50%/②2020年8月に導入したファイバーレーザ複合マシンACIES-2512T-AJ+ASR-2512NTK

半導体製造装置関連が50% ― 新型コロナで状況が一変

画像:半導体製造装置関連が50% ― 11月以降のV字回復に期待左から原澤篤人常務、込山祐規社長、赤池健拡副社長

㈱山梨ワークスは1999年、込山祐規社長が長年勤めた製造企業から独立し、個人企業「セイコー」として創業。2000年に法人改組し、2007年に現社名に変更した。半導体製造装置の仕事は創業期から手がけており、カバー・フレーム・機構部品などを製作・供給してきた。

現在の得意先は約30社で、そのうち毎月定期的に受注する得意先は16~18社。業種別の売上構成比(2020年2月期)は、半導体製造装置関連が50%、鉄道用信号システム関連が20%、空調機器・機械装置関連などが30%。半導体製造装置関連の得意先は4社で、ワイヤボンディング装置のメーカーが主力となっている。

込山社長は「半導体製造装置関連の仕事は3期連続で伸び、特に前期(2020年2月期)は絶好調でした。今期はそれを上まわる“最高の年”になると見込んでいたのですが、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大で状況が一変。一時はワイヤボンディング装置のお客さまからの受注が90%減、ほかの半導体製造装置関連のお客さまも70~80%減少しました。その後やや持ち直しましたが、現在は全業種トータルで前年比50%減の状況で、4勤3休のシフト制を採用し、対応しています」と語っている。

画像:半導体製造装置関連が50% ― 11月以降のV字回復に期待左:自動金型交換装置付きベンディングマシンHG-1003ATC。「変種変量・多品種少量生産の工場には効果絶大」(込山社長)/右:2020年10月に導入したファイバーレーザ溶接システムFLW-3000ENSIS

回復のきざし ― 「来期は大幅に伸びる」

足もとはきびしい状況が続いているが、込山社長は「10月に入ってからワイヤボンディング装置のお客さまからの受注が回復し始め、11月から来年2月まではすでに満杯の状態。おそらくそのまま止まらず、来期は大幅に伸びると見ています」と自信を見せる。

「11年前のリーマンショックのときとよく似ています。2008年9月にリーマンショックが発生して半導体製造装置関連の受注は大きく落ち込み、翌年2月頃からV字回復し、しばらく高原状態が続きました。リーマンショックのときとちがうのは、今回は新型コロナだけでなく、米中摩擦の動向についても注視しなくてはならないことです」。

「先行きについては悲観していません。大手半導体製造装置メーカーのお客さまがおっしゃっていたのですが、半導体の世界市場は、1947年に点接触トランジスタが発明されてからおよそ70年かけて50兆円市場まで拡大しました。それが10年後の2030年には2倍の100兆円市場に拡大する。70年分の成長が今後10年間で生み出される ― それほど爆発的な発展が見込まれるというお話でした」。

「半導体はそれほどまでに力強く、大きなポテンシャルを持った産業なのだと思います。しかも、IoT・AI・5G・CASEといった新たな成長分野がすべて半導体を前提としている。コロナ禍や米中摩擦の影響で一時的に低迷していますが、先送りになっているだけで、需要は決してなくなりません。上向く時期や回復のペースは変動するでしょうが、その将来性は疑いようがありません」(込山社長)。

画像:半導体製造装置関連が50% ― 11月以降のV字回復に期待左:R面が多く複雑な形状をした半導体製造装置関連のカバー/右:大型プロジェクター用アルミフレームを樹脂製の枠に収めた状態。直角度・平行度の精度がきびしく求められる

会社情報

会社名
株式会社 山梨ワークス
代表取締役
込山 祐規
所在地
山梨県中央市一町畑1028−27
電話
055-274-6966
設立
2000年
従業員数
16名
主要製品
半導体製造装置、鉄道用信号システム、空調機器関連・機械装置関連
URL
http://www.ynwks.co.jp/

つづきは本誌2020年11月号でご購読下さい。

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