特集2

板金業界のコロナショック度

“ポスト・コロナ”を支える中国経済

キャッシュレス化、位置情報の活用、自転車シェアリングサービス ― スマート化が進む中国社会

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“ポスト・コロナ”の先陣を行く中国経済

4月8日、新型コロナウイルスの感染拡大の“震源地”となった中国・武漢の都市封鎖が2カ月半ぶりに解除された。感染が収束に向かう中、中国全土で景気回復の足音がはっきりと聞こえはじめている。すでに電力需要や鉄鋼需要、自動車生産台数は平時と大差のないレベルに回復しつつある。中国に進出していた日系企業の工場も段階的に操業を再開している。

世界恐慌を上まわるコロナショック
リーマンショック後同様、中国経済に期待

世界中で感染拡大が続くなか、経済的打撃は計り知れない。国際通貨基金(IMF)は、2020年の世界経済成長率が▲3.0%となり、1929年の世界恐慌以来の景気悪化になるとの見通しを示した。

世界各国は総額8兆ドル(約870兆円)の財政出動を準備して、感染拡大にともない休業や操業停止を行った企業、一時解雇やリストラで職を失った人々に給付金を支給するなどの緊急支援を行い、感染収束後の景気回復への準備を進めている。

中国は、この大打撃 ― コロナショックを乗り越えて、今年後半に世界経済のV字回復を実現させる“機関車”として期待されている。中国の1-3月期の経済成長率は▲6.8%となったが、4-6月期にはV字回復を遂げるとの見方がエコノミストの間で強まっている。

しかし、現在までにわかっている中国の経済対策は、中小企業の倒産や雇用の悪化を回避するためのセーフティーネットが中心となっている。具体的には、企業向け社会保障費の減免や減税、国有銀行による中小企業向け融資の拡大、企業の利払い延期、雇用調整助成金の支給などである。商品券の配布、5G(第5世代移動通信システム)関連投資の拡大、自動車の購入規制緩和などがあるものの、需要刺激策は総じて限定的となっている。

そのため、コロナショックから脱却するための“機関車”の役割を中国に期待するのは難しいとの指摘もある。コロナショック後の世界経済の回復が、どのように展開していくのかは、現状では不透明だ。

現時点ではっきりしているのは、「中国製造2025」を掲げ、中華人民共和国建国100周年となる2049年には世界第1位の経済大国となることを目指す中国の着実な経済発展と製造業の強さだ。そして、5G・AI・ロボット技術などによって飛躍的な発展・成長を遂げようとしている中国の科学技術力の高さだ。

つづきは本誌2020年6月号でご購読下さい。

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