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「MF-TOKYO 2019」開催

ファイバーレーザの高出力化、曲げの自動化が大きなテーマ

人手不足・人材多様化・働き方改革に対応するソリューション提案が目立つ

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画像:ファイバーレーザの高出力化、曲げの自動化が大きなテーマ「MF-TOKYO 2019」会場(東京ビッグサイト南1ホール)

国内最大の鍛圧機械(プレス機械・板金機械など)の専門見本市「MF-TOKYO 2019」(第6回プレス・板金・フォーミング展)が7月31日~8月3日の4日間、東京ビッグサイトで開催された。同展は2009年から2年に1回のペースで奇数年に開催され、今年で6回目。出展者数254社・1,717小間(前回2017年は265社・1,669小間)となり、小間数としては過去最大となった。会期中の来場者総数は3万113名で、前回に比べ微減となった。

ファイバーレーザの高出力化、曲げの自動化が大きなテーマ

今回のMF-TOKYOは、生産年齢人口の減少や「働き方改革」による雇用環境の変化を背景に、加工マシン・金型・周辺装置・ソフトウエアを融合させた自動化システムの提案が目立った。併せてIoTを活用したサポートサービスが実用段階に入り、製造業が抱えるさまざまなソリューションが出展された。

中でも、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの新素材加工、資源生産性が大幅に改善するファイバーレーザマシン、曲げの自動化・ロボット化ソリューション、加工マシン本体と周辺機器との協調制御など、次世代のモノづくりを予感させる展示が多かった。

板金加工マシンの出展傾向としては、ファイバーレーザマシンの高出力化と自動化、曲げ加工の自動化・省熟化の提案が目立った。

ファイバーレーザマシンは、アマダ、トルンプ、ヤマザキマザック、三菱電機、バイストロニックジャパンなどが出展し、8~12kWの高出力機が中心だった。人手不足に対応する自動搬出・仕分け装置とのパッケージで提案する出展者も多かった。また、高生産性や加工品質の安定化を実現するファイバーレーザのビーム制御技術、加工最適化技術としては、アマダの「LBCテクノロジー」「ENSISテクノロジー」をはじめ、トルンプの「アクティブスピードコントロール」、三菱電機の「AIアシスト」などが注目された。

曲げ工程は、アマダ、トルンプ、村田機械などが自動金型交換装置付きベンディングマシンを出展。人手不足・人材多様化を背景に、曲げ工程の自動化・省熟化が大きなテーマとなっていた。

以下、主要な出展者の展示内容、紹介されていた新技術を紹介していく。

  • 画像:ファイバーレーザの高出力化、曲げの自動化が大きなテーマ「LBCテクノロジー」を搭載した加工マシン第1弾として国内公共展初披露となったVENTIS-3015AJ(4kW)
  • 画像:ファイバーレーザの高出力化、曲げの自動化が大きなテーマ「ENSISテクノロジー」を搭載したファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ(9kW)+ASFH-3015G

「進化が加速する」 ― アマダ

アマダの出展テーマは「進化が加速する」。ブース内を「ビームコントロールの技術が加速するアマダの最新光技術」「曲げ運用の進化が加速する次世代ベンディング運用」「レーザ溶接技術の進化が加速するレーザ溶接の加工領域拡大」と大きく3つのエリアに分けて展示した。

「アマダの最新光技術」としては、世界初の新技術「LBC(軌跡ビームコントロール)テクノロジー」を搭載した加工マシン第1弾として、国内公共展では初披露となるファイバーレーザマシン「VENTIS-3015AJ」(4kW)を出展した。

LBCテクノロジーは、レーザビームの集光径を絞り込み、エネルギー密度が高い状態を保ったまま最適なビーム軌跡をコントロールすることで、高効率な加工が可能となる。ビーム軌跡のパターンは用途に合わせて無限大に拡張できる。従来のレーザ加工は、材質・板厚によってビーム形状・集光径を変化させる必要があり、エネルギー密度が低下して効率・品質の低下につながっていた。

VENTIS-AJは「LBCテクノロジー」とともに、世界最高レベルの4kW高輝度ファイバーレーザ発振器を採用。LBCテクノロジーの特長を生かした3種類の加工モード ― 「生産性モード」「品質モード」「カーフコントロールモード」を搭載している。

また、アマダ独自のビームコントロール技術「ENSISテクノロジー」を搭載したファイバーレーザマシン「ENSIS-3015AJ」(9kW)とフォーク式パレットチェンジャー「ASFH-3015G」を組み合わせた自動化ソリューションを提案。最新のACサーボ・ダイレクトツインドライブにより最大パンチヒットレートが500hpmに向上したファイバーレーザ複合マシン「EML-2512AJ」(3kW)も出展した。

  • 画像:ファイバーレーザの高出力化、曲げの自動化が大きなテーマ2018年秋にリリースされたグローバルスタンダードファイバーレーザ複合マシンEML-2512AJ
  • 画像:ファイバーレーザの高出力化、曲げの自動化が大きなテーマHG-2204ATC(手前)とEG-4010(奥)によるマシンの最適振り分けの実演を行った

つづきは本誌2019年10月号でご購読下さい。

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