特集

第31回優秀板金製品技能フェア 優秀作品紹介

幼児・園児の安全に配慮したデザインシンク

2度目の厚生労働大臣賞を受賞

株式会社 ナダヨシ

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画像:板金加工で「できない」とは言わない厚生労働大臣賞を受賞した「保育園用デザインシンク」(SUS304 #700・板厚1.2㎜、W915×D500×H200㎜)

「素人発想・玄人実行で、お客様のアイデアをカタチにする」

画像:板金加工で「できない」とは言わない植木剛彦社長(中央)と中尾義明工場長(左)、曲げ担当の井上学さん(右)

「第31回優秀板金製品技能フェア」で、㈱ナダヨシが製作した「保育園用デザインシンク」が最高度な熟練技能・手法を用いた、品質・精度のきわめて高い作品として厚生労働大臣賞を受賞した。

同社は「素人発想、玄人実行―お客様のアイデアをカタチにします」をモットーに、ステンレス・アルミ・スチール・チタンの加工を手がけている。とくに、YAGレーザ溶接やTIG溶接を活用した歪みの少ない溶接技術に特徴を持っており、これまで対応が難しかった精密板金加工や極端に異なる板厚同士の溶接などにも対応している。

主要製品は機械部品やカバー、厨房設備、クリーンファンユニット、トラック部品、船舶部品、装飾金物、学校・病院の手洗いシンクなど。

同社の創業者である植木次義相談役は、福岡県の厨房設備メーカーに勤めたのち、1981年に34歳で同社を創業した。創業当時は灘吉厨房設備㈲として厨房機器を製作し、1991年に現在の社名に変更、2003年に株式改組した。2005年には福岡工業大学などとの産学連携に参加し、新しいモノづくりや製品開発などに参画するようになった。

  • 画像:板金加工で「できない」とは言わない植木社長が3次元CADで作成したシンクのサーフェスモデル
  • 画像:板金加工で「できない」とは言わない打ち出し板金による曲げや溶接に対応して製作した治具とゲージ、当て板、打ち出しに使うハンマー

2006年から連続して板金フェアに応募

第18回(2005年度)の優秀板金製品技能フェア(以下、板金フェア)に応募し、技能賞を受賞してからは、社員の技術・技能の研鑽と、その成果を業界に認知してもらうため、同フェアに毎年応募している。

第22回(2009年度)では「溶接を主体とする組立品の部」に応募した「宝箱(樹脂成形金型1/2サンプル)」で金賞と中央職業能力開発協会会長賞をダブル受賞。第25回(2012年度)では、「高度溶接品の部」に応募した「幼稚園用手洗いシンク(1/3ミニチュア)」が金賞を受賞。第27回(2014年度)では、「単体品の部」「組立品の部」「高度溶接品の部」「造形品の部」の4部門に応募し、「単体品の部」に応募した「240面体」が厚生労働大臣賞を、他の3部門でも銀賞、銅賞、技能奨励賞を受賞した。

2016年に長男の植木剛彦社長が事業を承継してからも、同フェアへの応募は継続しており、第30回(2017年度)では「造形品の部」で「ステンレス薔薇花束」が金賞を受賞。今回の第31回(2018年度)では「溶接品の部」に応募した「保育園用デザインシンク」が、同社にとって2度目となる厚生労働大臣賞を受賞した。

植木社長は「今回は『保育園用デザインシンク』のほか、『造形品の部』に『チャンピオンボール』を応募しました。個人的には構想から2年かけて完成した『チャンピオンボール』への評価を期待していましたが、結果はこちらでした」と語ってくれた。

  • 画像:板金加工で「できない」とは言わない受賞作品のブランク加工を行ったパンチ・レーザ複合マシンLC-2012C1NT
  • 画像:板金加工で「できない」とは言わないベンディングマシンで曲げ加工して仮付けしたシンク

会社情報

会社名
株式会社 ナダヨシ
代表取締役
植木 剛彦
住所
福岡県古賀市青柳194
電話
092-944-4755
設立
1981年
従業員数
20名
主要業種
精密板金、溶接加工一式、厨房機具、医療機器、特殊車両パーツ、装飾品金物、産業機械部品、その他
URL
http://www.nadayoshi.co.jp/

つづきは本誌2019年6月号でご購読下さい。

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