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金属積層造形の現在地 ― 白銅㈱に聞く

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画像:金属積層造形の現在地 ― 白銅㈱に聞く自動車部品のロアアーム(車輪と主軸をつなぐ部品)のサンプル。右から従来品、体積25%減、体積50%減(材質:マルエージング鋼、加工時間:約88時間)

近年、「除去加工」「変形加工」に続く第3の加工方法として「付加加工」(AM:Additive Manufacturing)に注目が集まっている。

日本は、技術面で先行する欧米に追従するかたちで、国家プロジェクト「三次元造形技術を核としたものづくり革命プログラム」(2014~2018年度の5カ年計画)を実施。2014年4月には世界最高水準の純国産産業用3Dプリンターの開発を目的に「技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構」(TRAFAM)を設立した。

「JIMTOF 2018」をはじめとする各種展示会では、金属積層造形の具体的な適用事例が多く見られるようになり、板金・プレス部品の置き換え事例も出てくるようになっている。

2015年1月から金属積層造形の受託造形サービスを展開する白銅㈱・神奈川工場を訪ね、「金属積層造形の現在地」について、3Dプリンター課・野澤泰行課長代理に話を聞いた。

金属3Dプリンターの普及はまだまだ

画像:金属積層造形の現在地 ― 白銅㈱に聞く3D Systems(米国)の金属3Dプリンター。手前は「ProX DMP 300」(最大造形サイズ:X250×Y250×Z300㎜)でマルエージング鋼とSUS630を造形。奥は「ProX DMP 200」(同:X140×Y140×Z100㎜)でADC12・AlSi12(アルミ合金)を造形している

市場に流通している3Dプリンターは、“樹脂”が圧倒的に多く、“金属”はまだまだ普及が進んでいない。粉末積層タイプの金属3Dプリンターの場合、2018年の国内普及台数は全メーカーを合わせて400~450台だ。

金属3Dプリンターの造形方法は大きく分けて、「パウダーベッド方式」「デポジション方式」「バインダージェッティング方式」の3つ。どれが適しているかは用途による。

当社が設備しているのは「パウダーベッド方式」(粉末積層造形)。金属粉末を敷き詰めてレーザで溶融・凝固させる方式で、部品も金型も治工具もつくることができ、最も汎用性が高い。「デポジション方式」は粉末を吹きつけながらレーザで溶融・凝固させる方式(肉盛)で、国内では工作機械メーカー各社を中心に5軸のマシニングセンタと一体化した複合マシンタイプが販売されている。破損した部品の補修や大型部品などに適している。「バインダージェッティング方式」は金属粉末などにバインダー(液体結合剤)を噴射して造形する。密度は低いが微細形状の造形が得意で、アクセサリーや小型部品などに適している。

問い合わせ先

会社名・部課
白銅 株式会社 特注品営業部 3Dプリンター課
住所
東京都千代田区丸の内2-5-2三菱ビル11階
電話
03-5223-8919
URL
https://www.hakudo.co.jp/

つづきは本誌2019年3月号でご購読下さい。

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