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自動車・福祉車両・フォークリフトの3本柱で事業展開

厚板と複雑3次元形状への対応を強みに新規開拓

株式会社 ツルタ製作所

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画像:自動車・福祉車両・フォークリフトの3本柱で事業展開サーボプレスSDEW-3025(手前)をはじめとする順送プレスライン。奥には200~300トンの単発プレスラインが見える(御嵩工場)

自動車・福祉車両・フォークリフトの3本柱

㈱ツルタ製作所は、厚板や複雑3次元形状の加工を得意とし、自動車・福祉車両・産業車両(フォークリフト)の部品加工を3本柱とするプレス部品メーカー。生産拠点は3カ所で、「本社・刈谷工場」(愛知県刈谷市)では金型設計・製作、スポット溶接、大型製品の溶接・アセンブリー、「御嵩(みたけ)工場」(岐阜県可児郡)ではプレス加工、「平芝工場」(同)では、溶接・アセンブリーと機械加工を行っている。

創業は1958年。豊田自動織機製作所(現・豊田自動織機)向けに繊維機械部品、産業車両部品の生産を始めた。1967年からはデンソー向けのディーゼルエンジン用燃料噴射ポンプの部品、フタバ産業向けのマフラー部品を手がけはじめ、自動車部品業界に参入。安定成長を遂げていった。

しかし1990年代後半には、近い将来、燃料噴射ポンプが電子制御による超高圧のコモンレール式に切り替わり、当時の同社の売上の70%を占めるデンソー向けプレス部品がほとんど使われなくなることが明らかになった。

そこで1998年頃から、都市銀行の研究所でコンサルタント業務を担当し、大手産業機械メーカーなどで事業の立て直しに貢献した実績をもつ鶴田昌宏CEOが陣頭に立ち、マーケティングリサーチやSWOT分析の手法を用いて同社事業のリエンジニアリングに乗り出した。

  • 画像:自動車・福祉車両・フォークリフトの3本柱で事業展開プレス工程を集約した御嵩工場。25トンから500トンまで計51台のプレスが並ぶ
  • 画像:自動車・福祉車両・フォークリフトの3本柱で事業展開平芝工場の溶接ロボット工程。すべて2ステージで段取り替えの待ち時間を減らし稼働率を高めている

厚板と複雑3次元形状への対応が強み

「自社のレベルを客観的に把握するため、それまで手がけてきた製品をお客さまに見せたのですが、『なんだこれ!』と驚かれてばかりでした」と鶴田CEOは振り返る。

燃料噴射ポンプ部品は、もともと鋳物や切削で加工していた部品をプレスに置き換えたことで板厚4~10㎜の製品も加工していた。マフラー部品は、とりわけ難易度が高い複雑3次元形状の部品を多く手がけていた。

顧客の反応を通じて自社の強みを再発見した鶴田CEOは、厚板と複雑3次元形状の加工に対応できる技術力を武器に営業展開。豊田自動織機のフォークリフト部品を開拓し、足まわり部品やボディ部品などを受注、板厚25㎜までの加工にも対応するようになっていった。

2002年にはトヨタ車体の福祉車両部品を開拓した。福祉車両に用いられる回転式シートや車いす収納装置は、高い強度が求められるため、4~9㎜の中板も多く使われている。

自動車部品は、それまで売上の30%を占めていたマフラー部品がサプライチェーン再編の影響で少なくなり、サスペンション・ピラー・シート・インパネといったボディ系部品にシフトした。

現在の売上構成は、自動車部品(ボディ系部品)、福祉車両部品、フォークリフト部品が各30%。残り10%は、繊維機械、産業用ロボット、自家発電装置、電子部品実装機などの構成部品となっている。

1998年から、7年間で売上は2倍に、現在までの20年間で3倍に増え、今期の売上高は30億円の大台を超え、過去最高となった。

  • 画像:自動車・福祉車両・フォークリフトの3本柱で事業展開回転式シートは5つのユニットが組み合わさっている。サイズはおよそW700×D400㎜。強度が求められるため、高張力鋼板を採用している
  • 画像:自動車・福祉車両・フォークリフトの3本柱で事業展開フォークリフトに使用するクレビス(駆動機構のブラケット)。高張力鋼板(SPH-440-OD)・板厚10㎜。穴あけ後のU字曲げで同軸を出している

会社情報

会社名
株式会社 ツルタ製作所
代表取締役CEO
鶴田 昌宏
本社・刈谷工場
愛知県刈谷市一里山町南大根12-1
御嵩工場
岐阜県可児郡御嵩町御嵩2188-12
平芝工場
岐阜県可児郡御嵩町字平芝2098-6
電話
0566-36-0357(本社)
設立
1958年
従業員数
200名
事業内容
自動車部品・福祉車両部品・フォークリフト部品などの金属プレス加工・金型製作・スポット溶接加工・ガス溶接加工・切削加工・板金加工・試作など
URL
http://www.katch.ne.jp/~turutass/

つづきは本誌2019年1月号でご購読下さい。

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