特集

コスト・調達の見直しが進む工作機械カバー

包装機械・工作機械向けが繁忙

20年以上前からITを活用したモノづくりを目指す

株式会社 鈴重

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画像:包装機械・工作機械向けが繁忙①パンチ・レーザ複合マシンLC-2012C1NT+AS-2512C1/②曲げ工程まで終了した工作機械カバーの部品。機種単位でパレットに積載されて溶接工程へ送られる

新工場移転で生産スペースが2.5倍に

画像:包装機械・工作機械向けが繁忙鈴木肇社長

㈱鈴重(すずしげ)は、鈴木肇社長の父・鈴木宏司氏が愛知県清洲町で鈴重鉄工所として個人創業したのがはじまり。1982年に㈲鈴重鉄工所として法人化。1987年に地所を移し工場を移転、タレットパンチプレスを活用して板金加工を専業とするようになった。

1993年に鈴木宏司氏が急逝し、夫人(鈴木社長の母)の鈴木住子会長が2代目社長に就任した。1999年にはレーザマシンを導入するなど板金の多様化に取り組んでいった。

2004年に株式改組、社名を現社名である㈱鈴重に変更した。当時、鈴木社長は専務として母を支え、ITを駆使して組織を強化、新規得意先の開拓と事業拡大に力を入れていた。2005年頃から生産工程の改善に着手、新たな生産管理システムや工場内ネットワークシステムを構築し、曲げのネットワーク化にも取り組んだ。

2007年に鈴木肇社長が誕生した。同年、ISO9001:2000の認証取得、2018年には最新版のISO9001:2015の認証を取得した。

2011年には立形マシニングセンタを導入、機械加工分野にも事業を広げていった。その結果、次第に工場が手狭になってきたことから工場移転を計画。しかし、近場で良い物件が見つからずにいた。

その後、取引銀行から稲沢市内で、敷地750坪に3階建ての事務所、2棟の工場が建つ物件を紹介された。当時の工場から車で10分の近場にあったため、購入を決めた。事務所や工場の一部の改装工事が終了した2016年、本社工場を移転。生産スペースは2.5倍に拡大した。

  • 画像:包装機械・工作機械向けが繁忙HD-8025NT(奥)で曲げ加工された工作機械カバーの部材(手前)
  • 画像:包装機械・工作機械向けが繁忙ベンディングマシンHD-8025NTにはマシン用のコンソールAMNC/PCのほかに生産管理システムの端末が設置されている。着手・完了情報の入力のほか、図面のPDFデータなどを参照することができる

包装機械・工作機械向けが繁忙

2018年にはパンチ・レーザ複合マシンLC-2012C1NT+AS-2512C1とベンディングマシンHD-8025NTを増設。それまでのパンチングマシン(EM-2510NT)とレーザマシンに、複合マシンとベンディングマシンが加わったことで、工場スペースだけでなく、設備力も強化された。

同社の得意先は約65社。売上構成は包装機械メーカーのカバー製作が30%、工作機械カバーが40%で、残りが医療機器、特装車、レジャー・ホビー関連などとなっている。

鈴木社長は現在の受注環境について「今は、食品業界や医薬製剤業界で『安全・安心』が重要視され、包装機械に対するニーズが高まっています。そのため国内外で需要が増え、当社のお客さまも増産体制で臨まれており、当社にもこれまでにも増して強い生産協力要請がきています」。

「工作機械は1次と同業者を通じての2次の仕事が中心ですが、増産要請で受注・生産ともに伸びています。LC-C1NTやベンディングマシンの増設はグッドタイミングでした。1社あたりの売上依存率が30%以上になることは避けたいので、お客さまごとの売上は確保しながら、ほかの仕事を取り込み、全体の売上のボリュームを増やしたいと思っています」と述べている。

画像:包装機械・工作機械向けが繁忙左:TIG溶接作業の様子/右:出荷を待つ包装機械用の部品(SUS304)

会社情報

会社名
株式会社 鈴重
代表取締役
鈴木 肇
住所
愛知県稲沢市千代町砂畑22
電話
0587-50-0333
設立
1982年
従業員数
19名
主要製品
包装機械、工作機械、産業機械の板金製品加工、溶接組立
URL
http://www.suzushige.com/

つづきは本誌2018年11月号でご購読下さい。

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