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トヨタ生産方式を実践し、年間1億個の自動車部品を生産

タンデムラインによるダウンサイジングのメリットを提案

株式会社 ミフネ

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画像:トヨタ生産方式を実践し、年間1億個の自動車部品を生産広瀬工場に新設したシングルクランクプレスTP-150FX×5台のタンデムライン。すべてのラインに「計画」「実績」「進度」のアンドンが設置されている(写真右)

「積小為大」をモットーに飽くなき改善を続ける

画像:トヨタ生産方式を実践し、年間1億個の自動車部品を生産代表取締役社長の梅村和弘氏

㈱ミフネは、トヨタ系・ティア2の自動車プレス部品の加工企業。トヨタ関連企業に勤務していた梅村敏会長が1978年に独立・開業した。

創業時に梅村会長が掲げた理念は「積小為大」(小を積みて大と為す)。二宮尊徳のモットーとして知られるこの言葉に基づき、小さな改善を積み重ねることで、着実に競争力を高めてきた。とくに、より効率的な生産体制を目指して創業2年目の1980年に導入した自動順送プレス(60トン)と、1982年に導入したトランスファーロボットライン(60トン単発プレスのタンデムライン)は、Q,C,D―主にコスト面で大きく貢献し、得意先をはじめ周囲を驚かせた。

現在は、2013年に2代目社長に就任した梅村和弘社長を、創業者である梅村会長と、梅村社長の実弟で生産現場を取り仕切る梅村昌弘専務がサポートするかたちで事業に取り組み、「積小為大」の精神で飽くなき改善・改革を進めている。

今年8月には、豊田市御船町の本社工場から車で10分ほどの距離にある豊田市西広瀬町に「広瀬工場」を開設した。同時にグループ会社も統合し、本社工場からも生産設備を一部移設して、すでにフル稼働中。新たに製品ストア(倉庫)を建設中で、これまでは検査・出荷のために本社工場に製品を横持ちしていたが、今後は広瀬工場で生産した分はこの製品ストアで管理し、直接出荷できるようにする計画だ。

画像:トヨタ生産方式を実践し、年間1億個の自動車部品を生産左:今年8月に開設した豊田市西広瀬町の「広瀬工場」/右:段取り替え作業中のSDEW-3025(本社工場)。保有するサーボプレス5台はすべて順送加工で活用。SPM向上・ハイテン対応・冷間板鍛造に貢献

年間1億個の自動車部品を生産

主要得意先はトヨタグループの自動車部品メーカーまたはトヨタ系のティア1企業。売上構成は、得意先2社が30%ずつ、1社が20%弱と、上位3社が80%弱を占める。生産品目はシート部品や足まわり部品をはじめ、幅広い。

先期(2018年6月期)の売上高は前年比12%増。今期(2019年6月期)も、年明けからは3月末の年度末へ向けての増産にくわえ、新車種の立ち上げと現行車種の増産が重なる見込みで、増収基調が続くとみられる。

受注アイテム数は、サービスパーツを含め約4,000アイテム。そのうち、毎日出荷・納品している製品は約1,500アイテム。生産数量はここ3年間で約15%増え、先期は年間1億個、月間平均850万個で、1日30万~40万個を生産した。年明け以降は増産対応で月間平均900万個を超える見込みとなっており、設備の増設を含めた生産準備を進めているところだ。

  • 画像:トヨタ生産方式を実践し、年間1億個の自動車部品を生産金型自動倉庫の入出庫口。本社工場は720型、広瀬工場は1,100型が収納されている
  • 画像:トヨタ生産方式を実践し、年間1億個の自動車部品を生産生産指示カンバンが入ったカンバン受取ポスト。今後はデジタル化により“見える化”を進めたい考え

会社情報

会社名
株式会社 ミフネ
代表取締役会長
梅村 敏
代表取締役社長
梅村 和弘
住所
愛知県豊田市御船町口明塚45-1
電話
0565-45-2310
設立
1981年(1978年創業)
従業員数
183名
事業内容
自動車部品のプレス・溶接・アセンブリー/金型加工
URL
http://www.mifune-tec.co.jp/

つづきは本誌2018年11月号でご購読下さい。

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