特集

生産性改善に取り組む台湾板金業界

ステンレス・アルミ建材の加工にENSIS-AJが活躍

グループで100名を超す社員数

錸興金屬有限公司

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画像:ステンレス・アルミ建材の加工にENSIS-AJが活躍①導入されたファイバーレーザマシンENSIS-3015AJ(3kW)/②ステンレス表面をチタンコーティングした駐車場のゲートポール。駐車券が投入できるように窓加工が施されている

永進興不銹鋼有限公司の関連会社

画像:ステンレス・アルミ建材の加工にENSIS-AJが活躍右から親会社である永進興不銹鋼有限公司の陳義昌董事長、隣が夫人の洪秀足さん、その左が錸興金屬有限公司の洪淑満総経理

錸興金屬有限公司は、台中市内にある永進興不銹鋼有限公司(代表者:陳義昌董事長)の関連会社として2017年に創業された。錸興金屬の総経理は、陳董事長の夫人である洪秀足さんの妹で、20年間、建築の請負会社で働いていた経験のある洪淑満さんが就任した。

永進興不銹鋼は1995年、台湾国内の建築業界の活況を見越した陳董事長が32歳のとき、建材関連の板金部材加工を受注するジョブショップとして設立した。設立当初からアマダのベンディングマシンRG-100を導入し、その後もパンチングマシンやベンディングマシンを増設して、勢いよく成長する世相を反映しながら、社業を発展させてきた。

画像:ステンレス・アルミ建材の加工にENSIS-AJが活躍左:錸興金屬や永進興不銹鋼で加工されたブランク材をHG-1303で曲げ加工する。通り精度が優れているので建築金物の品質も向上した/右:曲げ加工が終了するとアマダミヤチ製のハンディタイプのファイバーレーザ溶接機で溶接が行われる

近代化の建築物とともに発展を続ける

永進興不銹鋼は、2008年にレーザマシンFO-3015NT(4kW)を導入してからはレーザジョブショップとして、建材以外の一般板金の仕事も手がけるようになった。2011年にFO-MⅡ 3015NT(4kW)を導入してレーザマシン2台体制となったことで、生産能力はさらに強化された。

2012年以降は、建材関連の長尺・大型製品への対応を強化するため、設備を増強。2012年には6m対応のVカットマシンV-6012を、2013年には同じく6m対応のシャーリングマシンM-6065Ⅱと、8m対応のベンディングマシンFBD-4008(400トン・8m)を導入し、どんな注文にも応えられる設備をそろえた。

これだけの長尺・大型製品に対応できる設備力と技術力、そして一品一様が当たり前の建材業界で20年余にわたって培った対応力は、台中エリア随一との呼び声も高く、他社では対応できなかった仕事を次々と受注するようになり、社業はますます発展した。

2015年にはファイバーレーザマシンFLC-4020AJ(2kW・4×2m仕様)を導入し、アルミ・銅といった高反射材の薄板加工を強化するとともに、ベンディングマシンHDS-2204NT(220トン・4m)を2台増設。さらに従業員を20名も増員し、社員総数80名の中堅企業となった。

永進興不銹鋼は、2012年以前は小口の受注が中心だったが、2012年以降の設備強化により長尺・大型製品に対応できるようになったことで、建築物件あたり発生する板金部材を一式で請け負える力が身につき、大口案件の受注が相次ぐようになった。

台湾国内では、台南・台中・新竹などに集積する半導体メーカーが、世界的な半導体需要の「スーパーサイクル」到来で工場の増設を続けている。また、旺盛な個人消費を背景に、ショッピングモールなどの商業施設や高層ビル・マンションの建設ラッシュとなっている。こうした世相を反映して、同社の業績も右肩上がりで推移、2016年の売上高は前年比50%アップを達成した。

画像:ステンレス・アルミ建材の加工にENSIS-AJが活躍左:永進興不銹鋼が得意とする装飾建築金物類。左側の製品はステンレスで加工後にチタンコーティングして表面の品質を向上させている。右側の製品はチタンコーティングされていないステンレス製品/右:ステンレス製の箱文字。結婚式でカップルの頭文字をあしらったモニュメントに使われた。

会社情報

会社名
錸興金屬有限公司
総経理
洪淑満
住所
台湾・台中市大甲區青年路137號
電話
+886-4-2683-0237
設立
2017年
従業員数
25名
主要事業
建築金物の加工、溶接組立

つづきは本誌2018年10月号でご購読下さい。

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