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「ファイバーレーザフォーラム」 ― プレゼンテーション

ファイバーレーザマシンの3つの進化

①ハイパワー化、②平板・パイプ・形鋼への対応、③レーザTKによる自動化システム

株式会社 アマダ ブランク事業本部 ブランク営業部 小室 裕一 氏

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画像:ファイバーレーザマシンの3つの進化

ファイバーレーザマシンの3つの進化 ― ①パワーアップで進化したENSISテクノロジーによる安定加工の追求(ENSIS-3015AJ、6kW・9kW)②平板とパイプ・形鋼加工の両用マシン(ENSIS-3015 RI)③レーザマシンの自動化システム(TK-3015L)について紹介します。

高出力化 ― ENSIS-3015AJ(6kW・9kW)

ひとつめの進化が、高出力化・ハイパワー化です。ファイバーレーザマシンENSIS-AJに6kWと9kWの発振器を搭載し、ハイパワー化しました。それによって、軟鋼・厚板の高速加工、中・厚板の高品位加工、そして高出力化にともなう新しい加工技術の付加を実現できました。

すでにENSIS-AJには「ビーム可変テクノロジー」が備わっています。これは、レーザダイオードから出た光を、ビーム可変ユニットによって、加工する材料の板厚に最適なビーム形状に変えてくれるテクノロジーで、6kW・9kWの高出力マシンにも水平展開しています。

このテクノロジーによって、加工する材質・板厚・アプリケーションに応じて、無段階にビームをコントロールできます。薄板であればファイバーレーザ特有のパワー密度が非常に高い極細ビームで高速加工を行い、厚板であればビームの幅を広げて加工します。

高出力化を考えたとき、中・厚板の加工頻度が増えることが想定されます。そうしたなかで、6kW・9kWの高出力機ではビーム可変テクノロジーに「オートコリメーション機構」を付加。最適なビームをより深く使えるようなテクノロジーに進化しました。

進化したENSISテクノロジーの実力についてご紹介します。まず、アマダが「エコカット」と呼んでいる酸素カットの技術があります。小径ノズルを使うことで非常に省エネな酸素カットを行える技術で、このエコカットの加工領域を、従来の軟鋼・板厚12㎜から25㎜まで拡大しました。

これにより、たとえば軟鋼・板厚19㎜にピアス加工をした場合、CO2レーザマシン(4kW)だと12秒かかっていたのが、ENSIS-AJ(9kW)だと0.5秒でピアスが貫通できます。板厚25㎜でも、1秒でピアスが完了します)。製品1個あたり、シート材1枚あたりのピアスの数と累積加工時間をイメージしていただくと、時短効果の大きさを感じていただけると思います。

ピアスの加工時間の短縮とともに、加工速度も向上しました。CO2レーザマシン(4kW)と比べると、1ケタちがう速度で加工できます。

加工速度のみならず加工品質も向上しています。従来のファイバーレーザマシンで中・厚板を加工する際に問題になっていたベベル角(テーパー)が改善し、切断面の面粗度も向上しました。

つづきは本誌2018年10月号でご購読下さい。

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