特集

サニタリー設計に対応する食品機械の板金加工

大型食品機械・装置の一貫生産工場

FDA基準の無菌充填包装機にも対応/「変幻自在の対応力」で信頼獲得

株式会社 高木製作所

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画像:大型食品機械・装置の一貫生産工場①組立が完了し出荷を待つ大型の食品機械・装置/②食品機械の内部構造。フラットバーや機械加工部品も使用されている

大型食品機械・装置の一貫生産工場

画像:大型食品機械・装置の一貫生産工場代表取締役の高木賢治氏

㈱高木製作所は、食品工場の生産ラインに設備される大型食品機械・装置を中心に、設計から製作、据付までを一貫して手がける板金加工企業。売上に占める食品機械関連の割合はおよそ70%。残り30%前後は、工場向けのFA機器・省力設備向けの板金製品となっている。

食品機械関連の得意先は5社。そのうちの2社(即席麺製造機械メーカーと包装機械メーカー)で売上全体の60%強、食品機械関連の売上の90%程度を占める。近年は大手菓子メーカー2社と新たに取引を開始するなど、新規得意先の開拓にも成功している。

同社が手がける食品機械は、納入先の食品工場のレイアウトに合わせ、受注生産で対応する。一品一様の生産体制で、サイズは小型装置で長さ3m、大型装置だと15m程度。これまでに手がけたなかで最も大きいものは、複数の装置を連結したラインで全長60mにもなる。高さは2~4mが多く、ときには6m程度のものもある。

部品点数は小型装置で50点程度、大型装置で300点程度。使用する材料はステンレスが90%と大半を占める。大型装置の多くはフレーム構造のため、パイプ・形鋼の使用割合が30%と高い。

  • 画像:大型食品機械・装置の一貫生産工場ファイバーレーザ複合マシンLC-2512C1AJ。前面にマニプレーターを装着している
  • 画像:大型食品機械・装置の一貫生産工場ベンディングマシンHDS-2203NT。3mまでの曲げ長さに対応する

「変幻自在の対応力」で信頼獲得

高木賢治社長がモットーとしている、同社の最大のセールスポイントが「変幻自在の対応力」だ。

商品のライフサイクルが短い食品業界では、新商品の生産ラインの垂直立ち上げが当たり前。同社が手がける食品工場の大型装置も、受注から出荷までの生産リードタイムは1~3カ月という極端な短納期対応が求められる。しかも工場・プラント向けの大型装置は受注量の平準化が難しく、繁忙期には生産能力の300%に達することもあるという。

「食の安全・安心」への対応から、最近は食品メーカー・食品機械メーカーとも衛生設計に対する要求が厳しくなる傾向にあり、とくに溶接・表面仕上げに対しては高い品質が求められる。そのうえ、食品業界は低価格競争が厳しく、コスト低減が強く求められ、海外向けの装置ではとくにその傾向が強い。さらに、装置一式を手がけているため、社内で加工できる板金部品だけでなく、機械加工や表面処理、社内で対応しきれない板金部品など、協力工場との連携も必須となっている。

このようにQ,C,Dすべての面で高い水準が求められるなか、同社はファイバーレーザ複合マシンLC-2512C1AJを含む3台のレーザマシンなどの加工設備を充実させるとともに、地域の協力会社と強力な企業間ネットワークを確立。従業員数18名という規模ながら、30年以上にわたって培ってきたノウハウを生かして“対応力”を高め、得意先からの信頼を獲得している。

画像:大型食品機械・装置の一貫生産工場組立中の大型食品機械。同社が手がける食品機械のほとんどがパイプ・形鋼を使用したフレーム構造となっている。形鋼の使用割合は約30%と高い

会社情報

会社名
株式会社 高木製作所
代表取締役
高木 賢治
住所
群馬県高崎市倉賀野町3395-3
電話
027-346-8205
設立
1951年
従業員数
18名
事業内容
食品機械・省力機器・事務機・医療機器・計測機器などの精密板金・レーザ加工全般、装置組立
URL
http://takaginiomakase.com/

つづきは本誌2018年8月号でご購読下さい。

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