特集

ファイバーレーザ溶接による高速・高品位加工

ビーム制御技術で難易度の高い溶接にチャレンジ

溶接工程の生産性を大きく改善

有限会社 志村プレス工業所

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画像:ビーム制御技術で難易度の高い溶接にチャレンジ①FLW-ENSISの操作はベトナム人女性の技能実習生が行う/②ランナーステンレスSUS304・板厚0.6㎜とSUS304・板厚1.0㎜を突き合わせ溶接した製品。下側の点付け溶接はYAGレーザ溶接で行う

50年以上、率先垂範で会社をけん引

画像:ビーム制御技術で難易度の高い溶接にチャレンジ志村正廣社長

昨年、「社長創業50周年」を迎えた㈲志村プレス工業所志村正廣社長は、「お客様の喜びにつながるモノづくりがしたい」との信念で1967年、15歳の春に両親が創業した工場へ入社。定時制高校へ通いながら工場を手伝うようになり、50年以上にわたって会社をけん引してきた。

1968年、大手得意先からプレス加工を受注したことを契機に志村プレス工業所とし、1980年に有限会社に改組。1971年のニクソンショックで景気が減速、1976年から1978年にかけて円高が進行、量産の仕事は海外へ移転が進み、1985年のプラザ合意後は円高・ドル安が進行していった。

村社長は「このままプレス加工業を続けても発展は見込めない」と考え、1985年にアマダのベンディングマシンを導入、板金加工を手がけるようになった。1988年にはベンディングロボットを導入、ロット加工の自動化に取り組んだ。

  • 画像:ビーム制御技術で難易度の高い溶接にチャレンジ2台のファイバーレーザマシンが導入されている(写真はFLC-3015AJ)
  • 画像:ビーム制御技術で難易度の高い溶接にチャレンジ21名の社員のうち、9名がベトナム人技能実習生。曲げ加工も技能実習生が行っている

YAGレーザのパルス波形制御に着目

1996年には英国・JKレーザーズ社のYAGレーザ発振器(500W)を搭載した溶接ロボットを導入した。JKレーザーズのYAGレーザは、ビームエネルギーを微細に制御する「波形制御」を行うことによって、各種パルス波形が設定でき、アルミニウム合金などの溶接においてブローホールや割れの防止についての効果が期待されていた。

「国内メーカーも検討しましたが、『波形制御』で微細なビームコントロールができるJKレーザーズが一番優れていました」と語る志村社長は、そうした特長を生かし、アルミ材を主体とした溶接の仕事を受注するようになった。

画像:ビーム制御技術で難易度の高い溶接にチャレンジ左:ポジショナーテーブルとの組み合わせで複雑な溶接を行える/右:さまざまな加飾加工を施されたボタン

会社情報

会社名
有限会社 志村プレス工業所
代表取締役社長
志村 正廣
住所
愛知県小牧市大字三ツ渕原新田371-1
電話
0568-77-0135
設立
1980年
従業員数
21名
主要事業
レーザ切断加工、精密板金加工、溶接(レーザ溶接加工)、プレス加工、組立、試作提案
URL
http://www.shimura-press.co.jp/

つづきは本誌2018年7月号でご購読下さい。

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