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アマダサンワダイヤがスタート

「新素材加工市場への参入」を目指す

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画像:「新素材加工市場への参入」を目指す自社製造のダイヤモンドバンドソーマシンで1,000㎜を超える石英ガラスのインゴットから必要な厚さに切断する。ブレードの送り速度は毎分900 〜1,000mと超高速

「新素材加工市場への参入」を目指す

画像:「新素材加工市場への参入」を目指すダイヤモンド砥石を手に持って説明する㈱アマダサンワダイヤの松田雄策社長

㈱アマダホールディングスと、アマダグループで切削・プレス・工作機械の販売・サービスを担当する㈱アマダマシンツールは、現在推進中の切削機械事業の中期経営計画(売上高を現在の320億円から450億円へ拡大)達成に向け、「超硬ブレード生産能力拡大」のための投資を進めるとともに、「新素材加工市場への参入」を目指したM&Aなどの積極的な事業展開を行っている。

アマダグループの切削機械事業では、金属切断の高速化や難削材切断対応に不可欠なマシン(機械)とブレード(工具)の両面で超硬対応を強化している。昨年5月には、世界最高速度の切断技術と環境面への配慮を両立したバンドソー「HPSAW-310」と専用超硬ブレード「AXCELA HPシリーズ」をリリースした。

超硬ブレードのニーズは、航空宇宙産業に代表される難削材加工への対応や大型の鋼材を速くきれいに切断することを目的に年々高まっており、その傾向は特に欧米などの先進国で顕著になっている。アマダグループでは、こうした環境変化を踏まえて、超硬ブレードのさらなる生産体制の強化をはかるべく、欧州のブレード工場を中心として、総額30億円規模の投資計画を順次実施する。

  • 画像:「新素材加工市場への参入」を目指す切断された後の石英ガラスのインゴット
  • 画像:「新素材加工市場への参入」を目指すダイヤモンドバンドソーブレード

2017年10月にアマダサンワダイヤ発足

新素材加工市場への参入を目指したM&Aの一環として、アマダホールディングスは三和ダイヤ工販㈱(代表取締役社長・松田雄策氏)の発行済み株式100%(1,000株)を取得、2017年10月1日付けでアマダマシンツールの完全子会社とし、社名も㈱アマダサンワダイヤに変更した。

三和ダイヤ工販は、ファインセラミックス・石英ガラス、特殊カーボンなどを中心とした新素材加工の精密切断工程に強みを持っており、ダイヤモンドブレード、バンドソーマシンを製造する独自技術を備える。それらを応用した新素材の切断加工サービスを手がけており、その過程でさまざまな加工ノウハウを集積。同社でしか加工できない新素材もあるオンリーワン企業だ。

一方、アマダマシンツールは、長年にわたる金属加工領域でのビジネスノウハウを基盤に、現状のビジネス領域をさらに広げた非金属市場での事業拡大を目指す体制づくりを進めている。今回の出資により、三和ダイヤ工販が保有する新素材加工技術を生かし、今後継続的な拡大が見込まれる新素材市場への早期参入をはかっていく。

当面の事業展開としては、
①新素材切断加工技術の取得による電子部品・半導体・光学業界への展開
②ダイヤモンド・バンドソーの開発・製造・販売・メンテナンス体制の構築
③新素材対応ブレードの導入によるトータル商品ラインナップの整備
― の3点が考えられる。

現在はまだ馴染みが薄いが、炭素繊維、カーボンナノファイバーなどの新素材の使用は、今後、板金業界でも増大すると考えられる。ここでは、新たにアマダグループ入りをしたアマダサンワダイヤについて紹介する。

  • 画像:「新素材加工市場への参入」を目指すスウェーデン製の工具鋼に自動で鋸目(U溝)を加工する専用機
  • 画像:「新素材加工市場への参入」を目指すブレードのU溝上部に工業用ダイヤモンドチップをろう付けで接合した状態

つづきは本誌2018年3月号でご購読下さい。

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