特集

グローバル化が加速する鉄道ビジネスと板金

「仕事に誇りと自信を」 ― プライドが成長の源

インフラ輸出戦略で果敢にチャンスをつかむ

株式会社 アコオ機工

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画像:「仕事に誇りと自信を」―プライドが成長の源①2017年11月に導入されたファイバーレーザ複合マシンACIES-2515B-AJ+AS-3015NTK+ULS-3015NTK/②構体に使われる板金部材

鉄道ビジネスの世界市場は24兆円

画像:「仕事に誇りと自信を」―プライドが成長の源間鍋(かんなべ)秀樹社長

鉄道ビジネスは、運行システムや保守管理などを含めると、自動車や航空産業などと同様に、すそ野が広い産業。欧州鉄道産業連盟(UNIFE)の推計によると、世界の鉄道ビジネスの市場規模は2019年~2021年の平均でおよそ24兆円と想定され、このおよそ1/3 ― 7.8兆円が鉄道車両市場といわれている。

鉄道車両市場では、世界中の鉄道車両メーカーがしのぎを削っている。なかでも「ビッグ3」と呼ばれ、これまで世界市場で圧倒的なシェアを占めてきたのが、ドイツのシーメンス、フランスのアルストム、カナダのボンバルディア(鉄道部門の本社はドイツ)の3社。そしてここ2~3年で急浮上してきたのが、3年前に中国の中国南車集団(南車)と中国北車集団(北車)が合併して誕生した中国中車だ。

各社の売上規模を見ると、中国中車は中国国内の需要が大きいものの、2016年の売上規模は約3兆8,000億円と、世界トップ。シーメンスとアルストムは昨年9月に鉄道事業の統合を発表し、両社の売上高を合算すると2兆円、ボンバルディアは約8,500億円で、これらを合計すると約6兆7,000億円となり、世界シェアの83%を占めることになる。

そのなかで、日本の鉄道ビジネスの存在感は薄い。日本鉄道車輌工業会によると、鉄道車両の生産金額は2016年度で1,602億円、前年度比11.8%減となっている。これに電気機器の出荷額1,839億円、機械部品1,427億円を合わせた合計金額4,868億円が日本の鉄道ビジネスの総額であり、世界市場での競争に大きく遅れをとっている。

政府は成長戦略の一環として、2020年に鉄道事業を含むインフラシステムの受注を約30兆円にすることを成果目標とした「インフラシステム輸出戦略」を進めており、世界で需要が高まっている高速鉄道や都市交通システム(MRT)の受注獲得を目指している。

こうしたなかで、鉄道ビジネスを支える板金サプライヤーの中には“グローバルシフト”を掲げ、世界の鉄道車両メーカーに営業展開、鉄道車両のキーコンポーネントを海外メーカーから受注し、「Made in Japan」ブランドでビジネスを目指す企業が現れた。それが3年前にも小誌で紹介した㈱アコオ機工だ。

  • 画像:「仕事に誇りと自信を」―プライドが成長の源ACIES導入に合わせて設置されたベンディングマシンHG-2203(手前)と、HDS-1303NT
  • 画像:「仕事に誇りと自信を」―プライドが成長の源2013年に導入されたベンディングマシンHDS-2204NT

売上の60%が鉄道ビジネス

アコオ機工は1972年に間鍋(かんなべ)敏男氏(現社長の祖父)が兵庫県赤穂市内で鉄工所を創業(設立は1980年)。それ以来、主力得意先の鉄道車両メーカーの発展とともに事業を拡大させてきた。新幹線車両に使われるアルミ合金の加工ノウハウと溶接技術を強みに、アルミ板材・形材を使用する鉄道車両から、マテリアルハンドリング機器、船舶用エンジン、石油プラント関連の部品メーカーとして発展してきた。

現在は売上の60%を鉄道車両関連機器が占めている。最近増えているのがフレーム・カバー・艤装部品・床構体で、新幹線車両・在来線普通車両・特急車両を手がけている。

1998年に間鍋延一会長(現社長の父親)が2代目社長に就任。2007年に入社した間鍋秀樹社長は、父親である社長を補佐し、2015年に専務に就任、2016年に3代目社長に就任した。就任直後の2016年度に、売上高10億円超えを達成し、2017年度は12億円を見込む。就任早々、2期連続で売上高が前期比20%増という躍進を見せた。

長年取引がある川崎重工業車両カンパニーからの仕事量も増加したほか、間鍋社長を中心に新しく営業開拓した鉄道車両メーカーから受注した仕事が、業績を押し上げている。特に、そのメーカーが海外で受注したMRT車両の床構体を一括受注し、アルミ板材の加工・溶接の仕事がコンスタントに増えてきたことが大きい。

  • 画像:「仕事に誇りと自信を」―プライドが成長の源床下ユニットをスポット溶接するロボットとワーク反転装置
  • 画像:「仕事に誇りと自信を」―プライドが成長の源アルミ形材とアルミ板材を使って製造された新幹線の床下機器を支えるフレーム

会社情報

会社名
株式会社 アコオ機工
代表取締役
間鍋 秀樹
住所
兵庫県赤穂市東有年952-5
電話
0791-46-9555
設立
1980年(1972創業)
従業員数
56名
主要業種
鉄道車両・輸送機器・昇降機・鉄鋼関連の板金・プレス加工、溶接・組立、吹き付け塗装
URL
http://www.akoo.co.jp/

つづきは本誌2018年2月号でご購読下さい。

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