Sheet now

サーボプレスでSPMと製品精度が向上

ロボット搬送装置を使ったプレスラインによる自動化が特徴

株式会社 ウツノ

LINEで送る
Pocket

画像:サーボプレスでSPMと製品精度が向上コイル送り装置付きのサーボプレスSDEW-3025(300トン)による順送加工。サーボプレス特有の「振り子モーション」を活用することでSPMが向上し、最適なモーションを選択することで金型寿命も劇的に延びた

大手自動車メーカーのティア1として発展

画像:サーボプレスでSPMと製品精度が向上代表取締役の宇津野真一氏

㈱ウツノは愛知県愛知郡東郷町にある自動車部品を手がける金属プレス加工企業。1947年3月の創業で、2017年3月に70周年をむかえた。創業当初は鍋の取っ手ややかんの注ぎ口といった家庭用器物を加工していたが、1957年に大手自動車メーカーと直接取引を開始。それ以来、金型製作・プレス加工を手がける自動車メーカーの協力工場(ティア1)として発展してきた。さらに、金型製作・プレス加工だけでなく、パイプ加工・溶接・表面処理・組立まで行うことで付加価値を高め、1980年代以降はプレス・溶接のロボット化を推進、自動化によるコスト競争力を高め、存在感を高めていった。

1997年にはタイの日系自動車部品メーカーと技術提携、自動車部品メーカーのタイの拠点に供給する部品の技術支援を行った。中国でも2005年に5社共同出資で現地法人を設立、2010年にも3社共同出資で現地法人を設立し、技術支援を行っている。

  • 画像:サーボプレスでSPMと製品精度が向上金型図面を確認する宇津野社長の実弟、宇津野哲洋さん
  • 画像:サーボプレスでSPMと製品精度が向上ロボット搬送装置付きのプレスライン(9工程)。

自動車部品メーカーを開拓 ― 3本柱で成長

長年蓄積してきた技術・ノウハウを生かし、10年ほど前からは自動車部品メーカーとの取引が徐々に増加。現在は、大手自動車メーカー、自動車精密部品などを手がける自動車部品メーカー、自動車ボデー部品などを手がける自動車部品メーカーが得意先3本柱となっており、業績も右肩上がりで推移している。

宇津野和治会長は「以前は自動車メーカー1社からの売上がほぼ100%でしたが、ティア1といえども1社の依存度が高すぎると、リコールやリーマンショックのような環境変化に対応できません。ここ5~6年の間に、ようやく売上構成を分散できるようになりました」と語っている。

主力製品は、ガソリンの注ぎ口から燃料タンクまでを結ぶフィラーネックアセンブリー、オートマチックミッション周辺のオイルパン、シートフレーム、車輪まわりの防振ゴム金具、エンジンマウントブラケット、インバーターブラケットなど。自動車メーカーから受注する仕事は多品種少量生産品が多いことから、総生産品目は10万アイテムを超える。

2015年に6代目社長に就任した宇津野真一社長は「最近は、お客さまが、大手自動車メーカーの次世代プラットフォームで用いられる共通部品を受注され、当社がプレス加工を受注できました。立ち上げまでにはメーカーの方の監査を繰り返し受けるなど大変でしたが、ロットサイズがケタちがいなので、今後、4本目の柱として育ってほしい」と期待を込める。

  • 画像:サーボプレスでSPMと製品精度が向上保有する5台のサーボプレスはすべてコイル送り装置が付いている
  • 画像:サーボプレスでSPMと製品精度が向上工程のロボットプレスライン。マシンの前には金型などの重量物の搬送に使うローラーテーブルが設置され、段取り替えの負担を軽減

会社情報

会社名
株式会社 ウツノ
代表取締役
宇津野 真一
本社
愛知県愛知郡東郷町大字春木字白土1-75
刈谷工場
愛知県刈谷市西境町広見139-3
電話
052-802-1011(本社)
0566-36-0385(刈谷工場)
設立
1954年(1947年創業)
従業員数
190名
事業内容
自動車用金属プレス金型・溶接治具の設計、製作/プレス・パイプ加工、溶接、表面処理、組立までの一貫生産
URL
http://www.utsuno.jp/

つづきは本誌2018年1月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

Sheet now記事一覧はこちらから