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新たな笑顔に出会える年に

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新年あけましておめでとうございます。今年の干支は戊戌(つちのえいぬ)の年に当たるそうで陰陽五行説では、十干の「戊(つちのえ)」は陽の土、十二支の「戌(いぬ)」は陽の土で、土の気が重なる「比和」となります。

つまり、同じ気が重なる五行比和は、良い気も悪い気も増強される「中吉」の運勢であるとされています。戊の意味「植物の成長が絶頂期にある」と、戌の意味「草木が枯れる状態を表す」が比和の関係 ― つまり、今までがんばってきた人は2018年に見事に花開き、がんばってこなかった人は現状維持よりも悪い状態になるということなのかもしれません。

陽の土は万物を育成・保護する性質を表しており、季節の変わり目の象徴でもあり、自然が循環する状態がこの言葉に示されているといわれています。2極化が進行している時期だけに、気を引き締めなければなりません。

ところで、今年も小誌では「新春アンケート調査」「主要業種別トレンド分析」などの特集を組んでいますが、集計結果を見る限り、今年の景気を悲観的に捉えている様子は見られません。

昨年9月に発表された経済協力開発機構(OECD)の経済見通しで、2018年の世界経済成長率予想は従来の3.6%から3.7%に上方修正されました。11月の発表でも従来と横ばいの3.7%を維持しています。2018年の日本経済についても、9月の発表で従来の1.0%から1.2%に上方修正され、11月の発表でも従来と横ばいの1.2%となっています。

輸出の増加が景気をけん引する一方、内需も設備投資を中心に底堅く推移するとともに、消費者マインドが改善するなか、個人消費も持ち直しの動きがみられています。輸出が好調なのは、海外への生産シフトが一服していることや、半導体を中心としたIT需要の多様化、世界的な設備投資需要などが大きな要因になりそうです。

設備投資も、民間企業の良好な収益環境が続くなか、建設投資や研究開発投資を中心に増勢が持続する見込みです。特に人手不足と働き方改革への対応によって、中小製造業では自動化投資の勢いに衰えは見えず、今後も増勢が見込まれています。

第4次安倍内閣は生産性の改革を成長戦略の柱に掲げ、平成29年度補正予算で「ものづくり補助金」を継続する方向で、こうしたことも設備投資に弾みをつけています。

特に、今年は所得税や社会保障関連でも家計負担が増加するため、個人消費の落ち込みに拍車がかかれば、景気回復力に影響が出かねないことが懸念材料となります。

何はともあれ、2018年は内外需ともに底堅く推移するため、景気回復を実感する機会が増えると思いますが、成長ペースが緩やかで、景気回復を実感しにくいのも事実。成長力を高めるためには、①家計所得の一段の拡大、②企業の生産性向上、③財政に関する将来不安の払しょく ― などに政府が全力で取り組むことが必要です。

良いものはさらに良くなる年とのこと、何が何でも良い年にしたいものです。

真新しいノートには、取材予定の社名が並んでいます。どんな笑顔に出会えるか、楽しみです。

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