特集

サニタリー設計に対応する食品機械メーカーの板金トレンド

国内トップの総合粉体エンジニアリングメーカー

“ツカサスタンダード”を世界へ提案

ツカサ工業 株式会社

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画像:国内トップの総合粉体エンジニアリングメーカー①「粉体技術センター」に展示された自動開袋システム。人手不足と高齢化を背景に引合いが増加している/②空気輸送ライン中に設置して粉体のふるい分け・異物除去を行う「ラインシフター」。HACCP、GMP、AIB国際検査統合基準にも対応し、国内の大手パンメーカーの原料受入の工程にはほとんど採用されている

国内トップの総合粉体エンジニアリングメーカー

画像:国内トップの総合粉体エンジニアリングメーカー左:代表取締役会長の加藤文雄氏/右:技術部副部長の田中康志氏

ツカサ工業㈱は、国内トップの総合粉体エンジニアリングメーカー。1946年の創業以来、製造力と設計力を研鑽しながら、粉体機器のリーディングカンパニーとして、食品・化学・製薬などの分野で粉体技術・粉体設備を提供してきた。1963年にステンレス産業設備機器の製造をスタートし、粉体機器メーカーへの第一歩を踏み出した。それ以降は、ダクトやフィルターのような部品の製造から、装置、システム全体のソリューションを提供するまでに発展していった。

加藤文雄会長は、父親の加藤博司氏が創業した鉄工所(加藤溶接工業所)で、特殊溶接の技術力を生かしながら、得意先の困りごとに対応したより良い製品づくりに取り組んできた。発明家気質の加藤会長は、モノづくり工場から粉体機器メーカーへと発展していく過程でも、自社で使用するプレス加工機やパイプ加工機、アーク溶接仮付用保護面「デンメン」、電溶ケーブル巻取機「デンドラ」といったオリジナル製品を次々と開発していった。

現場主義を徹底し、常に変革を求める加藤会長は「半官半民であれ」(管理者も現場に足を運べ)、「新しい商売のネタは現場にある」、「出したエネルギーの分しか返ってこない」と社員を鼓舞し、奮起を促している。

2016年には常設展示場兼テストプラントの「粉体技術センター」を開設。粉体機器の開発試験拠点として、主要顧客である食品メーカーなどが使用する原料(粉体)の粉砕混合試験などを行うのはもちろん、加藤会長がモノづくりの原点と考える“驚きと感動”を提供する施設として、国内外の顧客を招き、地域活性化や企業ブランド向上にも役立てていこうとしている。

  • 画像:国内トップの総合粉体エンジニアリングメーカーレーザマシンFO-MⅡ 3015NT(5´×10´)とFO-MⅡ 2412NT(4´×8´)を設備
  • 画像:国内トップの総合粉体エンジニアリングメーカーFR曲げによりR形状に加工する

「ツカサHACCPプロジェクト」

食品加工プロセスの最上流にあたる粉体システムは、細かく見ると粉砕・分級・乾燥・混合・計量・輸送・供給・排出・貯槽・集塵といった細かな工程に分かれる。同社は工程ごとに多種多様な機種をラインナップしながら、食品工場・プラントを運営する食品メーカーからの引合いに基づき、粉体ラインのレイアウト設計から施工までのトータルコーディネートを行っている。

食の安全・安心に関する取り組みとしては、1999年に「ツカサHACCPプロジェクト」を発足し、「汚れない、汚さない、汚れても掃除が簡単」を合い言葉に、HACCP対応製品の研究開発にいち早く着手。また、開発する機器・システムに「複合機能を持たせる」という設計思想「ツカサハイブリッドパウダーシステム」を掲げている。同社では、この2つを開発ポリシーとしながら、粉体システムのイノベーションを目指し、食の安全・安心と新しい価値づくりに取り組んでいる。

  • 画像:国内トップの総合粉体エンジニアリングメーカー同社の創業から現在までの歴史を概観できるスペース
  • 画像:国内トップの総合粉体エンジニアリングメーカー5Sが徹底された組立エリア

会社情報

会社名
ツカサ工業 株式会社
代表取締役会長
加藤 文雄
代表取締役社長
加藤 康弘
住所
愛知県半田市中午町178
電話
0569-22-3111
設立
1969年(1946年創業)
従業員数
145名
主要事業
粉砕・分級・乾燥・混合・計量・輸送・供給・排出・貯槽・集塵などの粉体機器の開発・製造・販売/トレーサビリティーシステムの提案/プラント設計施工
URL
http://www.tsukasa-ind.co.jp/

つづきは本誌2017年8月号でご購読下さい。

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