特集

板金工場スマート化事例

「三方良し」を経営理念に社会の期待に応える

WILLの実績データで個人評価を実施

杉本金属工業 株式会社

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画像:「三方良し」を経営理念に社会の期待に応える左:生産管理システムWILL受注・出荷モジュール+Mに入力した工程別の負荷状況/右:WILLの現場端末で着手・完了情報を入力する作業者。入力忘れがないようリーダーが定期的にチェックする

屋根板金からスタート

画像:「三方良し」を経営理念に社会の期待に応える杉本光崇社長

北海道札幌市にある杉本金属工業㈱の創業は1946年。杉本光崇社長の祖父は特攻隊員だったが九死に一生を得、戦後は少しでも世の中に役立ちたいと、特攻隊の経験で得た修理技術を活かし屋根板金を始めた。

1961年に現在の杉本金属工業㈱を設立。ロールベンダーやプレスなどを導入し、薪ストーブ用のステンレス製ダクトなどの量産を手がけた。薪ストーブの生産が下火になると、建設資材や土木資材を製作するようになった。

杉本社長の父が2代目社長に就任した頃から、パンチングマシンやベンディングマシンなどを導入して、製缶や板金分野に進出。道内の農業・水産加工・酪農など地場産業のメーカーから、カバーや筐体などの受託加工を行うようになった。レーザマシンFO-3015やLC-2415αⅢNTなどを導入、徐々に加工領域を拡大していった。

画像:「三方良し」を経営理念に社会の期待に応える左:欧州製のパンチ・レーザ複合マシン。レーザ光を遮光するため、機械・棚・搬送装置をフルカバーで覆っている/右:ベンディングマシンHDS-8025NTによる曲げ加工

今年2月、35歳で3代目社長に就任

35歳の杉本光崇社長は入社9年目で、業界人としては若い部類に入る。経済学部を専攻した杉本社長は「事業継承は考えていなかった」と語るように、インターネットを活用したビジネスに興味を持っていた。

ところが、アルバイトで実家を手伝っているうちに、実際に現物ができるモノづくりがおもしろいと考えるようになった。そこでアマダ札幌営業所の営業担当者の紹介で栃木県の板金企業で板金加工のイロハを学ばせてもらった。

「半年間は現場で曲げ加工、その後はCADを使って工作機械カバーの設計を担当させてもらいました。CADで作成した加工データを現場に持っていき、作業者に加工できるか検証してもらいました。叱られながらも、いろいろなことを学ばせていただきました。1年間学んだあと会社へ戻りました。2代目の父は、最初から私の生き方には注文をつけず『やりたいようにやってみろ』と見守ってくれました」。

「最初は営業職に就きました。営業を担当して実感したのは、営業と現場がいつも対立しているという現実でした。営業は『がんばって受注した仕事なのに納期遅れや不適合部品を出したせいで得意先に叱られた』といった不満を現場にぶつける。現場は『営業がこんな仕事を取ってきたから手数がかかる。おまけに利益も出ない赤字の仕事ばかりを持ってくる』と不満を言う。毎月のPL(損益計算書)を見ると、所定外労働が増えて労務費は上昇、しかし売上は伸びない。そのうえ、月次で赤字という月もありました。当時は営業も現場も原価意識が希薄で、“どんぶり勘定”でした。これでは会社がもちません。どうしたら効率よく仕事をまわせるのか、私なりに考えました」。

「あらためて会社を見てみると、当社には『経営理念』がないことに気づきました。そこでまず、『経営理念』を作成して社員に目指す道を示そうと思いました。近江商人が大切にしていた“売り手良し”“買い手良し”“世間良し”の3つの“良し”に倣い、『私たちはモノづくりによって広く社会に貢献し、わが社にかかわる全ての企業や人々の幸福と充実した生活を創造し、真に必要とされる企業集団を目指す』という経営理念を考え、発表しました」と杉本社長は語る。

  • 画像:「三方良し」を経営理念に社会の期待に応える行き先別に色分けされたカンバン
  • 画像:「三方良し」を経営理念に社会の期待に応える仕掛り品には色分けされたカンバンを添付。ピンク色は次工程が曲げ加工となる

会社情報

会社名
杉本 光崇
代表取締役
横山 慎二
本社工場
北海道札幌市清田区北野2条3-11-1
石狩工場
北海道石狩市新港西3-750-7
電話
011-881-5211(本社工場)
設立
1961年
従業員数
53名
主要事業
鉄道車両、農業機械、半導体製造装置、建設・土木資材、食品機械など
URL
http://www.sugimoto-kk.co.jp/

つづきは本誌2017年7月号でご購読下さい。

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