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「第3回 経営者フォーラム」開催

技術のブランディングによる差別化

「感じて、考えて、行動する」―の3ステップが大切

海内工業 株式会社 代表取締役 海内 美和 氏

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画像:技術のブランディングによる差別化左:海内工業が参画しているプロジェクトの一例。経済産業省の平成28年度「ロボット導入実証事業」の補助対象に選定された「攻殻機動隊S.A.C. 1/2サイズ タチコマ リアライズプロジェクト」の2次試作「MUSASHI」の3次元モデル/右:同社が特殊素材であるβチタンで製作した脚部の試作部品

職業訓練法人アマダスクールが主催する「第3回 経営者フォーラム」が5月19日、FORUM 246(神奈川県伊勢原市)で開催され、海内工業㈱の代表取締役・海内美和氏が「技術のブランディングによる差別化」と題した講演を行った。

今回の「経営者フォーラム」では、アマダの各地のサテライトセンター・営業所に土岐事業所を加え、全国7カ所で同時中継を行った。聴講者は若手経営者や事業継承者を中心に計105社・136名。講演後は、各地の聴講者を交え、活発な質疑応答が行われた。

以下、海内社長の講演内容を一部抜粋して紹介する。

「良いモノ、良い技術で国境を越えたい」

最初、私の「将来ありたい姿」は、国連の職員だった。カナダの留学先は世界36カ国の高校生がともに学ぶようなところで、「本物の信頼関係は国境を越える」という原体験になった。国境を越えて人と人とが良い関係を結べる世界をつくりたい、何か専門性を持って、そのための一助になりたい―それで国連の職員になりたいと思っていた。

「国を超えて良い関係をつくりたい」というのが私のそもそものモチベーションで、海内工業に入社してからは、それを板金屋に当てはめた。「良いモノ、良い技術で国境を越えたい」というのが今の私のモチベーションで、「世界で信頼され、必要とされる技術とは何か」と常に考えている。

画像:技術のブランディングによる差別化海内工業㈱・代表取締役の海内美和氏

「感じて、考えて、行動する」―の3ステップ

「ありたい姿」を実現するために、「感じて、考えて、行動する」という3つのステップを常に大事にしている。
最初に話した「何をしたいか」「ありたい姿は何か」という思いは大事にして良いと思っている。それがモチベーションになり、ビジョン・ゴールを明確にし、困難に直面したときの突破力になる。そういう思いを持ち続けるためにも、まずは「感じる」ことを忘れないようにしている。

「考えて」については、閉塞感があるところを突破するときは別の視点―特に「若者、馬鹿者、よそ者」の視点が大事になる。入社当時、私は何を考えているかわからないと思われ、「エイリアン」(異邦人・宇宙人・よそ者)と呼ばれていた。しかし、そういう視点を逆手にとって活かそうと考えた。

「行動」については、たとえエイリアン的な考えでも、それに同意してくれる“味方”を1人ずつ増やし、同志とともに行動することが大切になる。

一番伝えたいのは、「must」(~しなければならない)ではなく「want」(~したい)を軸に「ありたい姿」を描き、そこへ向けて一歩踏み出す勇気を持つことが大切ということだ。

プロフィール

海内 美和(あまうち・みわ)
1982年、東京都生まれ。2001年、Southern Okanagan Secondary School(カナダ)卒業。2002年、雙葉学園高等学校卒業。2006年、慶應義塾大学商学部卒業。大学在学中にスタンフォード大学のAmerican Language & Culture(ALC)Programで単位取得。2006年、投信投資顧問会社に入社。2008年11月、リーマンショックをきっかけに会社立て直しのため海内工業㈱に入社。2014年、3代目社長に就任。

つづきは本誌2017年7月号でご購読下さい。

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