板金論壇

「全員経営」「アメーバ経営」を改めて考える

『Sheetmetal ましん&そふと』編集主幹 石川 紀夫

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「全員経営」で成果を挙げる

先日お伺いした板金企業では「全員経営」を推進されていた。「全員経営」は松下幸之助翁が提唱されたといわれ、松下語録にこの言葉が紹介されている。「経営者は自分の思い込みや囚われを排除するために、社員や部下の意見や話を聞くこと。素直に物事を見て、筋道立てて物事を考える。そうすれば、良い知恵が集まり良い決断が出来る」と紹介されている。

経営者は責任感や自分の判断力を過信して、 ついワンマンになりがちとなる。とくに同族経営が多い中小企業では、こうした傾向が強く、自分だけが経営上の最上の決断者と決め、社員をして将棋の駒のごとく扱う方が多い。しかし、経営者も社員も人の子、尊厳もあれば夢や希望もある。

ならば、社員が一人ひとり自分の持ち場を守り、責任を果たすことで一致団結して仕事をこなす。中間管理者が自身の持ち場での出来事を決断、采配するような仕組みにすれば経営者が一人ですべてを抱え込まなくても済む。部下の決断を尊重して最終的な裁量を行っていくことで物事はスムーズに進むようになる。経営者も社員も自分の責任範囲において知恵を出していけば会社経営はうまくいくというのが、「全員経営」の本質だ。

「アメーバ経営」が若手経営者に浸透

最近は「全員経営」をさらに進化させた稲盛和夫氏の「アメーバ経営」が若手経営者のバイブルとなっている。「アメーバ経営」は「会社経営とは一部の経営トップのみで行うものではなく、全社員が関わるものだとの考えに基づき、会社の組織をアメーバのようにできるだけ細かく分割し、それぞれの組織の仕事の成果を分かりやすく示すことで、全社員の経営参加を促す経営管理システム」と言われ、稲盛氏が経営再建を実現した日本航空(JAL)はそのサクセス事例とされている。

つづきは本誌2017年6月号でご購読下さい。

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