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最新加工設備で多様なステンレス製品の加工に対応

最強の職人集団により良いモノを適正な価格で提供する「フジサキスタイル」を確立

株式会社 フジサキ

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画像:最新加工設備で多様なステンレス製品の加工に対応工場内は5Sが徹底されている

「俺もいつかは、こんな工場の主に」

画像:最新加工設備で多様なステンレス製品の加工に対応藤崎文吾社長(左)と、夫人の藤崎つゆ子取締役(右)

㈱フジサキを創業した藤崎文吾社長は、学校卒業後に製缶工場に就職し、9年半にわたって溶接技術などを習得。その後、建築金物工場に転職し、4年半の経験を積み、退社する前には工場長になっていた。

社会に出てからは、いつか独立して自分の会社を設立することを目標に、展開・プログラム、抜き、曲げ、溶接など、板金加工の一通りの技術を習得した。

「最初に勤めた製缶工場は従業員5名の小さな工場でした。数年後に、その会社が新工場を建設、竣工式のときに『俺もいつかはこんな工場を建てたい! 絶対に建ててやるぞ!』と決心しました。幼稚園の頃から、プラモデルなど、モノをつくり出すのがとにかく大好きでした。友達に自慢したり、それで遊んだりするわけでもなく、とにかく『早く完成させたい』『綺麗につくりたい』という思いが強く、ワクワクしながら取り組んでいました」と、藤崎社長は幼少期からの思い出を語る。

32歳になった2000年に会社を退社、図らずも前々から計画していた会社創業の夢が一歩近づいた。しかし、開業資金も乏しく、仕事の目途が立っていたわけでもなかった。そこで、夫人である藤崎つゆ子さん(現・取締役)の実家の支援を受け、国民金融公庫(現・日本政策金融公庫)から850万円の開業資金を借り入れ、愛媛県伊予郡砥部町八倉の貸工場で藤崎工業を個人創業した。

以前の勤め先からシャーリングマシン、ベンディングマシン、コーナーシャーなどを安く譲り受け、以後少しずつ設備を増やしていった。開業して最初の2カ月は仕事ゼロの状態が続いたが、ツテを頼りに営業するうちに、溶接と穴あけの仕事から1件ずつ得意先を開拓していった。

当初は夫妻2人だけで仕事をしていたが、つゆ子夫人が2人目の子どもの出産・育児のため一時的に職場を離れ、1年ほどは藤崎社長が1人で働いた。2年目に1名の社員(現・工場長)が入社、愛媛県内の板金工場から加工難易度の高いステンレスの加工・溶接を中心に仕事をするようになった。2004年には㈲フジサキと社名変更し法人化、仕事も増えていった。

画像:最新加工設備で多様なステンレス製品の加工に対応左:パンチ・レーザ複合マシンLC-2012 C1NT/右:自動金型交換装置付きベンディングマシンHG-1003ATCの前で撮影。スタッフ全員が集まる

「経営指針書」の作成

やがて、知り合いに紹介され、中小企業家同友会に入会、藤崎社長の経営理念を「経営指針書」として作成し、それを銀行に提出。熱意が認められ、新工場の移転費用の融資を前向きに検討してもらえることになった。

経営指針書には、「パートナーシップに従い、最強の職人集団により、高付加価値ステンレス製品を提供・創造し、強い意志で社会に貢献します。そして幸福を追求し続けます」という藤崎社長の経営理念が盛り込まれ、以後同社はその理念に従い、社会に貢献するモノづくりを追求している。

そして2007年、業務拡大にともない、現在の伊予市下吾川に300坪の土地を購入、120坪の本社工場を新築、移転した。これを機に株式改組し、㈱フジサキとなった。

2015年には新たに300坪の土地を購入、120坪の新工場も建設した。2棟の工場屋根にはそれぞれ50kW未満の低圧の太陽光発電装置を設置した。発電出力は100kW未満だが8月には月間50万円の売電実績を上げ、「フジサキ太陽光発電所」も同社の新たなビジネスとなっている。

現在、ボイラー製品、水処理機器、食品機器、医療機器、環境機器などを製造する大手企業のティア2としての仕事が約40%を占め、そのほかには約50社からの仕事を受注している。

  • 画像:最新加工設備で多様なステンレス製品の加工に対応整備された溶接ブース
  • 画像:最新加工設備で多様なステンレス製品の加工に対応食品機械向けのSUS304製バケット

会社情報

会社名
株式会社 フジサキ
代表取締役社長
藤崎 文吾
住所
愛媛県伊予市下吾川1861-6
電話
089-982-7627
設立
2004年(2000年創業)
従業員数
9名
主要事業
精密板金加工(ステンレス・アルミ・チタン・鉄・真鍮・銅)/金属特殊構造物製作/食品・医療・自動省力化産業機械、建築製作金物など
URL
http://www.fujisaki-fk.co.jp/

つづきは本誌2016年12月号でご購読下さい。

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