特集

工程統合複合加工とファイバーレーザ

3次元CAD、マシニングセンタ、最新設備が充実

クラウドファンディングを活用した新事業も立ち上げる

有限会社 早野研工

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画像:3次元CAD、マシニングセンタ、最新設備が充実①7月に導入したファイバーレーザ複合マシンLC-2512C1AJ+ASR-2512NTK+ULS-2512NTK/②ブランク加工データ作成全自動CAM Dr.ABE_Blankによるネスティングデータ/③LC-2512C1AJで加工された建機部材

建機・農機関連の板金加工で発展

画像:3次元CAD、マシニングセンタ、最新設備が充実早野文仁社長

㈲早野研工は1988年、早野文仁社長の父親が岐阜県大垣市内の自動車部品メーカーに勤めたのち40代で独立。油圧プレスで成形した試作品をコンターマシンや手作業でトリム・カットして、試作品を完成させる仕事を手がけてきた。

早野社長は東京の大学で経営工学を学び、卒業後は名古屋のブラザー工業でプリンターの設計を担当した。ブラザー工業入社後、2年が経過した1992年に父親が急逝。急きょ2代目社長に就任した母親を助けるため、さらに会社組織にして4年目ということもあって、25歳で専務という立場で家業を手伝うようになった。設備もなく、主である先代を亡くし、試作の事業を継続することに難しさを感じた早野社長は、1996年にアマダのパンチングマシンPEGA-357Ⅱ、2次元CAD/CAM AP60、ベンディングマシンFBDⅢ-8025LDを導入、板金加工分野へ進出した。そして県内にあった建設機械メーカーから油圧ショベルのカバー関連の仕事を開拓、建機カバーの板金加工を手がけるようになった。

その後、滋賀県内の建設機械・農業機械関連のメーカーから、コンバインやトラクター関連、ミニ建機の仕事も受注するようになり、建機・農機関連の仕事が売上の40%を占めるようになった。また、岐阜県内にはバスや鉄道車両関連のメーカーもあったことから、バス・鉄道車両関連の仕事も手がけるようになった。

  • 画像:3次元CAD、マシニングセンタ、最新設備が充実3次元CADで作成した製品モデルから部品を展開する
  • 画像:3次元CAD、マシニングセンタ、最新設備が充実曲げ加工エリア

業界に先駆け3次元CADに対応

一方、先代の時代から取引してきた自動車・建機・農機関連の得意先からも、プレスで成形加工する絞り加工をともなった製品加工の仕事を受注するようになった。

自動車メーカーは早い時期から3次元CADを使った設計に取り組んでいたことから、早野社長は3次元への対応が求められるようになると判断、業界に先駆けて3次元CADを導入し、3次元データへの対応を進めた。さらに3次元レーザマシン2台を導入、油圧プレスで成形加工した絞り製品のトリム・カットから、MIG溶接ロボットで自動溶接して納品するユニット製品にも対応するようになっていった。

また、試作時の形状プレス加工に使用する試作金型や、多品種少量向け金型、量産絞り製品向け金型の製作にも対応する必要があったことから、ワイヤ放電加工機や立形マシニングセンタを導入。3次元設計から、試作、金型製作、板金加工と幅広い生産への対応力を備えていった。

  • 画像:3次元CAD、マシニングセンタ、最新設備が充実非接触式3次元測定機ATOS
  • 画像:3次元CAD、マシニングセンタ、最新設備が充実3次元測定機で読み取った製品データ

会社情報

会社名
有限会社 早野研工
代表取締役
早野 文仁
住所
岐阜県大垣市多芸島町1-86-2
電話
0584-89-6598
設立
1988年
従業員数
22名
主要事業
車体開発プレス部品の製作、精密試作板金、各種産業機器部品加工
URL
http://hayanokenko.co.jp/

つづきは本誌2016年11月号でご購読下さい。

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