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リチウムイオン電池の環境検査に使う恒温槽メーカーに発展

将来の青写真もしっかり描く

有限会社 浜部製作所

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画像:リチウムイオン電池の環境検査に使う恒温槽メーカーに発展上:兵庫県神戸市にある㈲浜部製作所の本社工場/右:同社が製造・販売する環境試験器(恒温槽)

「30歳までに一国一城の主」を有言実行

画像:リチウムイオン電池の環境検査に使う恒温槽メーカーに発展濱部晃社長

㈲浜部製作所は1989年、濱部晃社長が創立した。濱部社長は勤務していた鉄工所で溶接加工を経験したあとに板金加工を担当、セットプレス、コーナーシャー、ベンディングマシンで加工する仕事に6年ほど携わった。

「30歳までには一国一城の主になりたい」と考え、29歳で溶接作業を主体とする個人企業を設立した。当時から溶接技術に定評のあった社長のところには難易度の高い溶接の仕事がたくさん集まり、事業は順調に軌道に乗っていった。そうして溶接前の切断、抜き、曲げ加工まで手がけることで付加価値拡大を考えるようになった。

しばらくしてステーション数が8本あったパンチングマシン(Q4C)を2台導入、穴あけ加工の生産性を大幅に改善した。これを契機に抜き、曲げ、溶接に対応して、自動省力化機器の設計・製作、各種制御盤の製作を行う精密板金加工企業へと発展していった。

  • 画像:リチウムイオン電池の環境検査に使う恒温槽メーカーに発展アマダマシンで統一された生産工場
  • 画像:リチウムイオン電池の環境検査に使う恒温槽メーカーに発展ベンディングマシンHDS-1303NT(左)とHD-5020NT(右)

メーカーへの道

同社は2010年、一大転機を迎えた。環境試験器などを取り扱う商社に勤める知り合いから、「リチウムイオン電池が電子機器から自動車まで幅広い用途で使われ、その用途に合った高い精度・品質が求められるようになり、その結果、要求に応える環境試験器に対するニーズが急激に増している。環境試験に必要な長時間一定温度に保つことができるよう制御され、さらに湿度を一定に保つことができ、温度を一定の間隔で、繰り返し上昇・恒温・下降などの細かな制御を行うことができる環境試験器(恒温槽)を開発・製造し、販売しないか」という話が持ち込まれた。

濱部社長としては、未知の分野で提案に対してどのように対応すればいいのか迷った。しかし、一国一城の主を目指したときから、いつかは自前の商品を持つことが夢だったので、その話に乗ることに決めた。

画像:リチウムイオン電池の環境検査に使う恒温槽メーカーに発展左:第2工場の環境試験器の組立ライン/右:受託生産している配電盤

会社情報

会社名
有限会社 浜部製作所
株式会社 ハマベ(販売会社)
代表取締役
濱部 晃
住所
兵庫県神戸市西区高塚台3-1-50
電話
078-991-1794
設立
1989年
従業員数
25名(うちハマベ5名)
主要事業
自動省力化機器の設計製作、恒温槽の設計製作、各種制御盤の製作、精密板金加工
URL
http://www.hamabe-ss.jp/

つづきは本誌2016年10月号でご購読下さい。

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