特集

好調な食品機械を支える板金加工

食品機械の国内販売額は年間5,000億円を突破

トータルエンジニアリング、ロボット化、スマート化がトレンド

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画像:食品機械の国内販売額は年間5,000億円を突破「FOOMA JAPAN 2016」の会場風景/一般社団法人日本食品機械工業会提供

FOOMA JAPAN 2016開催

アジア最大級の「食の技術」の総合トレードショーFOOMA JAPAN 2016」(2016国際食品工業展)が6月7日から10日までの4日間、東京ビッグサイトで開催された。主催は一般社団法人日本食品機械工業会(以下、日食工)。出展者数は686社(前回比5社増)、会期中の来場者数は9万4,497人(前回比1.8%増)となった。

日食工・林孝司会長関東混合機工業・代表取締役会長)は、開会式の挨拶で「市場や消費者のニーズである“食の安全・安心”を担保したうえで、進化を続ける最先端のテクノロジー・製品・サービスの展示を通じ、国民のみなさまの生命と生活の基本である食の安定供給を支え、食の未来を切り開いていきたい」と述べた。

画像:食品機械の国内販売額は年間5,000億円を突破食品機械の販売額推移/一般社団法人日本食品機械工業会

2015年の食品機械販売額は15.5%増

日食工によると、食品機械の国内販売額は2011年以降右肩上がりで推移。2015年は15.5%増の5,175億円で、5,000億円の大台を突破するなど大きく成長した。訪日外国人の消費拡大にともない、土産物を中心とした食品工場の設備投資拡大、学校給食施設の統合やセントラルキッチン化、コンビニベンダーの大型設備投資、老朽化した食品工場・食品機械の更新需要などが活発だった。

2016年の業況については、円高などの影響もあって訪日外国人の消費需要が落ち着きを見せ、学校給食関係の需要もピークアウト、コンビニ店舗は増加しているが、街のパン屋や菓子店など中小の食品加工業者が減少しているため、横ばいから微増で推移するとの見方が強い。

食品加工市場のトレンドとしては、工場の大規模化・高機能化により、「食の安全・安心」を担保するとともに、省エネへの対応、自動化工場や生産ライン単位でのトータルエンジニアリングへのニーズが高まっている。とりわけ、深刻な人手不足に対応するための自動化・ロボット化に対する強いニーズが生まれている。さらに、トレーサビリティ確保やビフォアメンテナンス、異物混入などを防止するフードディフェンスへの対応などが求められ、食品機械メーカー各社はセンサー情報などのビッグデータをIoTを活用して管理・分析するスマート化対応にも積極的に取り組み始めている。こうした状況を受け、「2~3年後には食品製造プロセスが劇的に変わる可能性もある」との声も聞かれた。

また、日本国内で生産された食品機械の輸出比率は7%余りと低い。国内市場は、人口減少により中長期的に縮小するとみられるため、内需依存からの脱却、グローバル化への対応が業界全体の課題となっている。

一部の中堅・大手メーカーは15~40%程度の海外売上高比率を達成しているが、食品機械メーカーの多くは中小企業であり、資金力や人的資源が限られる。日食工の会員企業をみても、年商1億円に満たない企業が19%に達している。そのため、グローバル化への対応をはじめ、ここに挙げたトレンドへの対応が負担となっており、今後は業界再編が避けられないとみられている。

  • 画像:食品機械の国内販売額は年間5,000億円を突破内蔵カメラの映像をタブレット端末で確認できる
  • 画像:食品機械の国内販売額は年間5,000億円を突破イシダが提案するIoTソリューション。機械の停止要因履歴・稼働状況・停止要因分析などを確認できる

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