特集

好調な食品機械を支える板金加工

乳業・酪農機器から食品機械へ参入

食品機械、医薬機器、化学品製造設備までステンレス加工に特徴

株式会社 キド

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画像:乳業・酪農機器から食品機械へ参入①㈱キドで製作したストレージタンク/②製作途中の蒸気釜

淡路島にある板金加工企業

画像:乳業・酪農機器から食品機械へ参入木戸清隆社長

明石大橋が完成して神戸市三宮から車で1時間強で行けるようになった淡路島。所要時間を考えれば、岡山県と隣接する兵庫県相生市などと比べても遜色はなく、四国・徳島県にも近いことから利便性も備えている。

淡路島は年間を通じて温暖な気候に恵まれ日射時間が長く、肥沃な土壌で多彩な農業が展開されている。約1200年前の平安時代には、淡路島は「御食国」といわれ、神や天皇に食べ物を献上する島と呼ばれていた。現在も日本一の品質を誇る「淡路島たまねぎ」を中心とする野菜をはじめ、米・花卉・果樹・畜産など多彩な農畜産物が生産される「豊な島」である。

そんな淡路島で、1947年に木戸農機具店として創業された㈱キドは、創業当時は鋤・鍬などの農具の製造、修理を専門に行っていた。そのうち、島内にあった食品機械メーカーの仕事を受注するようになってから、ステンレスの加工技術、加熱冷却に要するノウハウを培い成長した。

現社名に変更してからは、設計から板金加工、機械加工、溶接、製缶、組立まで、トータルで製品を開発できる人員・設備を有して、各種機械、圧力容器の開発や製造を行っている。企画から生産まで、お客さまのニーズに応える製品づくりを心がけており、その時代の要請とともにさまざまな開発・製造のフィールドを確立している。

  • 画像:乳業・酪農機器から食品機械へ参入レーザマシンFO-3015
  • 画像:乳業・酪農機器から食品機械へ参入ベンディングマシンHD-3504NTによる曲げ加工

自前主義を徹底―本社ビルの建材パネルも自前

同社に到着してまず驚くのは、3階建ての本社ビルの外壁、内壁パネル、事務所入り口のエントランスの床板パネルまでが、同社のパンチングマシン、レーザマシン、ベンディングマシンによって加工された製品を使用して建てられていることだ。

滑り止めを施した床材はパンチングマシンでエンボス加工され、内壁パネルにはパンチング加工でデザイン性を高め何百個もの細穴が開けられたステンレス材が惜しみなく使われている。

また、工場設備の一部には自社開発した設備がある。溶接長さ4mまで対応できるプラズマ溶接機を備えたクランプシーマは、反転装置から溶接ビードを研磨仕上げする装置までが一貫ラインで構成されている。さらに、工場の柱をフレーム代わりにしたプレスマシンをはじめ、不要になったパンチングマシンに使われていたクランプ装置やローラベアリングを使って、マルチスポット溶接機を開発するなど、独自のノウハウとアイデアを採り入れたオリジナルマシンが数多く導入されている。

  • 画像:乳業・酪農機器から食品機械へ参入大型トンネルフリーザー
  • 画像:乳業・酪農機器から食品機械へ参入化学品製造設備に使われるタンク

会社情報

会社名
株式会社 キド
代表取締役
木戸 清隆
住所
兵庫県洲本市納201
電話
0799-22-7275
設立
1970年
従業員
67名
事業
食品機械、医薬機械、化学機械、その他機械及び第一種・第二種圧力容器の製造・販売
URL
http://www.kido-corp.com/

つづきは本誌2016年8月号でご購読下さい。

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