特集

食の安全・安心に対応する農業機械と板金加工

スマートアグリシステムの普及で変わる日本の農業

農業機械メーカーは世界を目指す

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画像:スマートアグリシステムの普及で変わる日本の農業農家戸数の推移/農林水産省

世界の農機需要は年率7%弱で成長

世界人口が70億人を突破する中で、人口1人あたりのカロリー摂取量も大きく伸びており、その需要を満たすためには食糧増産が欠かせない。米国の調査会社Freedonia Groupによると、世界の農業機械需要は2011年の1,255億ドルから2016年に1,745億ドルと、年率7%弱で成長する見込みだ。

日本では2014年の基幹的農業従事者数は167.9万人、平均年齢は66.8歳と高齢化している。65歳以上の基幹的農業従事者数は105.6万人で全体の62.9%、39歳以下は8.3万人で5%にも満たない。これからの農業の担い手をどうするかが日本農業の最大の問題となっている。昭和世代の農業従事者の引退にともなって小規模農家が減少、国は農地を集約することで大規模化、効率的な農業を進めることを目指している。大規模化が進めば農業機械は大型化するため、農作業の自動化・省力化のために新しい技術を開発することが求められている。

農業の担い手が課題の日本農業

農業機械を単に大型化するだけではユーザーのニーズに応えたことにはならない。

農業機械は建設機械などと異なって、機械の操作に免許がいらないため、操作に不慣れな農業従事者でも操作が可能となっている。その結果、農林水産省の調査によると、農作業中の死亡事故は毎年350件から400件前後発生、そのうち特に高齢者の死亡事故が70%以上を占め、完全無人化機械や危険感知装置など、自動運転や自動停止などの機能を備えた安全性の高い農業機械の開発が求められている。

また、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定による農作物の関税撤廃・削減が目前に迫っており、農業就業者の高齢化や担い手不足、大規模農業への移行など、日本の農業には様々な課題が山積している。

画像:スマートアグリシステムの普及で変わる日本の農業基幹的農業従業者の年齢構成(2014 ) /農林水産省

つづきは本誌2016年6月号でご購読下さい。

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