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建設用クレーンのシャシーフレームを生産

高張力鋼板の加工に特徴、溶接の強みを生かす

株式会社 三祥

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画像:建設用クレーンのシャシーフレームを生産大型クレーン(50トン)のフレームシャシーモジュールの溶接・組立工程

溶接技術を軸に業容を拡大

画像:建設用クレーンのシャシーフレームを生産梶尾哲夫社長(中央)、梶尾哲也取締役(右)、桑原久信常務(左)

㈱三祥を創業した梶尾哲夫社長は、1968年に建設関連企業の社内外注として山地氏、三好氏と3人で溶接の仕事に従事するようになった。1970年には高松市内の金属加工業者の社内外注として、ダイキン工業やタクマ真空ボイラー(現タクマ)の溶接を主に行うようになった。1988年には十数名を雇用するようになり、㈲三祥製作所を設立した。

「溶接技術一筋でひたすら走り続けてきて、気がつくと社員は14名を数えるようになっていました。そこで、恩ある社長の勧めもあって法人組織を設立しました。1990年になって、知り合いの会社の倉庫を借り、設備らしい設備もないまま新規の仕事を始めました。そこへアマダの営業マンがやってきて『パンチングマシン、ベンディングマシン、シャーリングマシンなど板金製缶用設備の長期割賦販売ができる』と提案され、ありがたかった。家内の実家もバックアップしてくれたので、当時で1億円以上の設備をローンで導入することができました」。

「そこへ当社の溶接技術を評価してくださった㈱タダノ様からクレーンのフレーム関係の仕事を手伝ってほしいと言われました。ところが仕事は13トン、16トンのトラッククレーンのシャシーフレームで、大型のうえに数もある。狭い場所で仕事をするには無理がありました。他の仲間や社員に相談しても、この場所では難しいという意見でしたが、『工夫すれば何とかなる。こんなチャンスは2度とこない。仕事を請けることにする』 ― 夜通し考えた末の結論を社員に説明し、全員から同意を得ました」。

  • 画像:建設用クレーンのシャシーフレームを生産第1工場にあるレーザマシンLC-3015F1NT(4kW)+ASF-3015F1
  • 画像:建設用クレーンのシャシーフレームを生産出力6kWのCO2レーザ発振器を搭載したFO-3015NT+LST-3015FO

周りに支えられて発展・成長

「狭い工場で効率よく生産するために、昼夜を通して仕事をしました。バブル景気で仕事は順調に増えていきました。1992年、三谷町の地権者のご厚意で、現在地に工場を建設しようとしました。ところがここが調整区域ということがわかり、行政から指導が入りました。知人に相談に乗ってもらったところ、当社がタダノ様の協力工場で、地域経済に貢献する企業は調整区域の指定を解除して工場建設が認められる、という適用除外を受けられることがわかって、無事工場を竣工、稼働することができるようになりました。仲間と社員、そして周りの人たちの温かいご支援を受けて、今日までやってこられたことに感謝しています。誠実・信頼・真剣・新鮮・幸せを大切にして『21世紀の新しい5S』を掲げながら、人の心も融合できる最強組織として㈱三祥を築き上げたい」梶尾哲夫社長は周りに支えられて会社が発展、成長したことを謙虚に語ってくれた。

  • 画像:建設用クレーンのシャシーフレームを生産HD-3503NTで厚板部材の曲げ加工を行う
  • 画像:建設用クレーンのシャシーフレームを生産2台の溶接ロボットが同期してフレームを溶接する

会社情報

会社名
株式会社 三祥
代表取締役
梶尾 哲夫
住所
香川県高松市三谷町字中南3529-8
電話
087-888-5781
設立
1988年
従業員数
100名
主要製品
走行クレーン、高所作業車、フレーム、バスケット製品、農機・建機用部品、電気清浄装置タンク、ステンレス・アルミ製品加工(レーザー機械、溶接)、各種フレーム、容器、大物製品、機械加工

つづきは本誌2016年6月号でご購読下さい。

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