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クレーン運転室、トップメーカーの勝算

ファイバーレーザ複合マシンACIES-AJ導入で加工領域を拡大

株式会社 タステム.

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画像:クレーン運転室、トップメーカーの勝算5月にリリースされたばかりの最新機種であるファイバーレーザ複合マシンACIES-2515TAJ+AS-3015NTK+ULS-3015NTK

「鉄工部」と「建築部」が2本の柱

画像:クレーン運転室、トップメーカーの勝算高橋政利社長(右)と高橋卓也専務(左)

㈱タステム.は、圧力容器などを製造していた㈱高橋鐵工所の建材部が独立し、1958 年に㈱高橋サッシュ製作所として設立された。現在は「謙虚、感謝の気持ちで心の通う物づくり」をモットーに、船舶や港湾、製鉄所などで使われるクレーンの運転室や機械室、スチールドアなどの各種金属製の建具、半導体製造設備フレームなどを一貫体制で生産している。クレーンの運転室や観覧車、風力発電機部品などを製作する「鉄工部」と、ビル・商業施設向けサッシや防火扉などを製作する「建築部」の2本柱。当初は建築部門の売上が80 %を占めていたが、1992年に現社名へ変更したのを機に鉄工部門の体制を強化、現在では鉄工部門が売上比率の70 %を占める。

  • 画像:クレーン運転室、トップメーカーの勝算ベンディングマシンHDS-2204NTによる曲げ加工
  • 画像:クレーン運転室、トップメーカーの勝算溶接・仕上げ工程

デッキクレーン運転室を年間320台生産

国内で建造されるバラ積み船用デッキクレーンの運転室の大半は同社が受注しており、年間320 台の運転室を製造する。

「舶用クレーンの運転室はL2,760×W1,500×H2,050㎜の大きさがあり、1隻のバラ積み船には4 基が必要で、規格品が大半でリピート品となります。毎週1~2隻分の運転室を製造、年間では320台くらいになります。納入先は三菱重工業様です。バラ積み船の受注は2018年頃までは見えていますが、中国経済や為替の影響で先行きを心配しています。陸上向けは港湾関連が順調、船が大型化してきて、国内の港湾施設が大型化への設備を更新、世界の港湾施設との競争ということで、各地の港湾が設備投資を積極的に進めていることもあって、2017~2018年までは好調に推移するのではないかと考えています。高炉や電炉などの製鉄所向け施設の更新需要もあり、陸上部門に関しては住友重機械搬送システム様、三菱重工業様、三井造船様、JFE様、日立製作所様などから最大寸法L12m×W3m×H3m、重量10トンまでの運転室に対応しています。クレーンの運転者は1日8時間くらい作業するため、運転室は狭い空間でも快適さが求められます。年間150台余りを製造、台数ベースでは舶用のほうが2倍以上、売上金額では陸上のほうが大きくなっています。陸上分野では重工メーカー様の中で、まだお取り引きのないメーカーもありますが、国内のクレーン運転室の70~80%を当社製が占めています。『クレーン運転室はタステム.』という評価をいただけるよう精進します。鉄工部のもうひとつの柱が半導体製造装置の水処理関連の装置に使われる架台のフレームの製造です」(高橋政利社長)。

画像:クレーン運転室、トップメーカーの勝算左:塗装が完了したバラ積み船用デッキクレーンのキャビン/右:陸上向けクレーンのキャビン

会社概要

会社名
株式会社 タステム.
代表取締役社長
高橋 政利
住所
愛媛県新居浜市政枝町3-2-1
電話
0897-37-1111
設立
1958年
従業員数
63名
主要事業
荷役運搬設備用運転室、機械室、電気品室の設計・製造、スチール、ステンレス、アルミ製建具の設計・製造・施工・販売
URL
http://www.tastem.co.jp/

つづきは本誌2016年6月号でご購読下さい。

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