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モノづくりは楽しい ― 第28回優秀板金製品技能フェア受賞製品

「高度溶接品の部」に応募した「ダクト」が「中央職業能力開発協会会長賞」を受賞

「ベーシックな板金加工技術の研鑽は必要不可欠」

細見鉄工 株式会社

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画像:「高度溶接品の部」に応募した「ダクト」が「中央職業能力開発協会会長賞」を受賞左:「中央職業能力開発協会会長賞」を受賞した「ダクト」(SUS BA材・板厚1.0㎜)/右:ダクトは“ねじり”と“ひねり”を加え、くびれた形状にしている

「中央職業能力開発協会会長賞」を受賞

兵庫県丹波市にある細見鉄工㈱は、照明器具や鉄道車両関連の仕事をメインに手がける板金加工企業。

優秀板金製品技能フェアには第23回(2010年度)から毎回応募し、第28回で6回目。応募2年目の第24回(2011年度)には、「溶接を主体とする組立品の部」に応募した「LED照明器具 本体・枠」が銀賞を受賞。今回の第28回では、「高度溶接品の部」に応募した「ダクト」(SUS BA材・板厚1.0 ㎜)が「中央職業能力開発協会会長賞」
を受賞した。

念願だった“銀賞越え”を果たした同社の製作チームの喜びはひとしおだった。荻野栄一社長はメンバーのそうした想いを汲み取り、表彰式で行う受賞企業による挨拶で、「この場所に連れてきてくれて、ほんまありがとうな」という言葉を製作メンバーに贈った。

荻野社長は「フェアの主役は製作チーム。自分はあくまで脇役」ということを貫いてきた。

「初めて立たせてもらった場所が最高の舞台でした。『中央職業能力開発協会会長賞』の受賞が発表された後は関係者のみなさまからお褒めの言葉を賜わり、経営者冥利につきる経験をさせてもらいました。社員のみんなには、あらためてありがとうと言いたい」と荻野社長は語る。

画像:「高度溶接品の部」に応募した「ダクト」が「中央職業能力開発協会会長賞」を受賞左:左から、山本雅一部長、谷口浩平会長、荻野栄一社長、福垣尚也部長。製作チームの山本部長と福垣部長が表彰状と盾を持つ/右:ダクトの製作チームは、左から、臼井洋さん、山本部長、福垣部長、中野真吾さん、柴原由美さん、取材当日は不在だった井上部長を合わせた計6名

細見鉄工に息づく“チャレンジ精神”

同社は1953年に細見潤逸氏が個人創業し、当初は鉄工所として農機具や自動車の修理など、様々な仕事を手がけた。1968年には、パナソニック電工施設照明㈱(現・パナソニックライティングシステムズ㈱)との取引をスタート、これをきっかけに照明器具関連の事業に注力する。その後は設備投資や新規開拓を適時行い、事業を拡大してきた。

現在の売上に占める比率は、照明器具関連が60%、鉄道車両用床下機器部品関連が30%、その他が10%となっている。売上高については過去6年間、毎年5~10%の幅で増加、今期も増収増益で推移する見込みで、好調な業績が続いている。

1998年には創業者の義弟である谷口浩平現会長が社長に就任、2015年には主要得意先である旧・パナソニック電工施設照明㈱春日本社・工場で、生産技術職務を長年経験した荻野栄一氏が社長に就任した。事業継承は創業者の直系ではないが、同社に息づく“チャレンジ精神”と“モノづくりに対する姿勢”は、途切れることなく次世代へと受け継がれている。

画像:「高度溶接品の部」に応募した「ダクト」が「中央職業能力開発協会会長賞」を受賞左:ダクトの3次元モデル/右:ひねりを加えた曲げ加工

会社情報

会社名
細見鉄工 株式会社
代表取締役会長
谷口 浩平
取締役社長
荻野 栄一
住所
兵庫県丹波市氷上町横田710-8
電話
0795-82-4078
設立
1970年(1953年創業)
従業員
40名
業種
照明器具部品、鉄道車両用床下機器部品、省力化機器部品
URL
http://www.hosomi-tekkou.jp/

つづきは本誌2016年5月号でご購読下さい。

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