特集

安全・安心に対応する食品機械と板金加工

ソディックが手がける食品機械事業

製麺ラインや食品機械の設計・製造

株式会社 ソディック 食品機械事業部

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画像:ソディックが手がける食品機械事業全自動茹麺装置の組立工程

ソディック ― 放電加工機のパイオニア

画像:ソディックが手がける食品機械事業藤倉雅美工場長(右)、相沢武さん(中央)、竹野洋平さん(左)

㈱ソディックは、放電加工機、工作機械、産業機械、食品機械、金属3Dプリンターなどの開発・製造・販売を手がける国内大手の総合メーカー。

創業年(1976年)にNC 形彫り放電加工機を発売して以降、「世の中に無いのならば自分たちが作り出す」という開発理念のもと研究開発を推進している。東証1部上場、グループ全体の従業員数は3,183名、2015年3月期の売上高は前年比2ケタ増の630億円を達成した。

主要事業は、「工作機械事業」「産業機械事業」「食品機械事業」「その他の事業」の4つ。売上比率は、工作機械事業が74.2%、産業機械事業が13.0%、食品機械事業が4.4%、その他の事業が8.4%となる。

今年4月には、食品機械の製造拠点を白山工場(石川県白山市)から加賀工場(石川県加賀市)に集約、食品機械工場を竣工して操業を開始する予定。加賀工場は国内生産の主力工場となっている。

今回は、移転前の白山工場へ取材にうかがった。

  • 画像:ソディックが手がける食品機械事業全自動茹麺装置で使われるバスケット。麺が一玉ずつ入る仕様
  • 画像:ソディックが手がける食品機械事業連続蒸熱殺菌装置

ソディック 食品機械事業部

白山工場はもともと、形彫り放電加工機の組立工場として1985年に建設された。1995年、前身である製麺機メーカーの㈱トムが阪神・淡路大震災の影響で、白山工場へ移転し、食品機械の製造・販売を始めた。

現在、白山工場を主力とする同社の食品機械事業は、製麺機や茹麺装置・蒸し機、殺菌装置といった食品機械の開発・製造・販売をはじめ、プラント向け製麺ラインの構築、搬入、据付を手がけている。2015年3月期の売上高は27.9億円。売上に占める海外比率は20~30%程度。主要製品は製麺機で、得意先は、大手製麺メーカーやコンビニ・スーパー向けのうどん・そば・中華麺・皮物を製造する食品加工メーカーとなる。

製麺工程は一般的に、①小麦粉や食塩水などをまぜる「ミキシング」、②生地をロール機に通して帯状の麺帯にする「麺帯づくり」、③麺帯に水分を均等に行きわたらせる「熟成」、④麺帯を薄くのばしていく「圧延」、⑤麺帯に切り刃を通して各麺に適した太さにする「裁断」、⑥麺を茹でる「茹」、⑦茹でた麺を水洗し冷水でしめる「水洗・冷却」、⑧冷やした麺の「包装」、⑨人の手や金属探知機による「検査」となる。

製麺ラインは、これらの工程に必要な装置である、①真空ミキサー、②生地コンベア、③麺帯熟成装置、④麺帯複合圧延機、⑤切出機、⑥茹装置、⑦水洗装置、⑧包装機器、⑨検査装置を連結させ、構成することになる。

「当社の主力帯は、1時間あたり6,000食以上を製造できる製麺ラインで、価格はおよそ数千万円になります。数億円規模のラインは、1万食以上の生産食数を求められる冷凍めんや、生めん向けです。受注件数は、金額もさまざまですが年間70件ほどになります。受注案件の概要は、数百万円の装置(食品機械)1台から、数千万円~数億円の製麺ラインなど様々です。当社は大型装置をメインに手がけていますので、生産食数が限られる店舗に食品機械を納めるケースはほとんどありません」と、白山工場 食品機械事業部 生産本部本部長兼工場長の藤倉雅美氏は語る。

白山工場の従業員数は現在70名で、そのうち10名が、食品機械の板金・製缶加工、溶接を担っている。

画像:ソディックが手がける食品機械事業左:昨年10月に導入したベンディングマシンHG-2204/右:ハンディタイプのYAGレーザ溶接機YLM-500PⅡ

会社情報

会社名
株式会社 ソディック 食品機械事業部
事業部長
大迫 健一
住所
石川県白山市旭丘1-14(白山工場)
電話
076-275-7411
従業員
70名
事業内容
真空ミキサー、製麺機、自動茹麺装置・殺菌装置など食品機械の設計・製造

つづきは本誌2016年3月号でご購読下さい。

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