板金論壇

航空機産業と板金業界/機体本体よりも関連機器にチャンスあり

『Sheetmetal ましん&そふと』編集主幹 石川 紀夫

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「東京エアロスペースシンポジウム2015」

「東京エアロスペースシンポジウム2015」が10月14日から16日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された。会期中、航空宇宙業界の最新情報を発信するシンポジウムと、企業・行政機関などの展示が行われた。展示内に特設された製造技術エリアには、これまで板金加工業者が直接出展するケースは余りなかったが、今回は10社以上の板金企業が出展した。

FAAやEASAへの対応も必要

航空機の機体、およびその部品の製造工程では品質保証が重要。そのため製造に携わる全工程に関して、たとえばボーイング製の航空機に関しては、米国連邦航空
局(FAA:Federal Aviation Administration)が、米国内での航空機の開発・製造・修理・運航のすべてを承認することになっているため、FAAの基準に準拠することが求められる。また、同様に欧州では航空機・エンジン・プロペラおよび部品の新規の型式証明と、設計関連の耐久性を承認する管轄権を有する欧州航空安全機関(EASA:European Aviation Safety Agency)があり、エアバスの航空機製造に関連すればEASAの基準に準拠することが必要になる。

それだけに航空機部品の製造はハードルが高い。特に、作業者や加工設備、治具や測定機器を事前に届ける型式登録。また、工程や工法の事前承認も必要で、工程・工法・作業者を変更するたびに承認を受ける必要がある。さらに接合などの特殊工程作業に関しては、国際的な認証制度であるNadcap(ナドキャップ)などの認証取得も必要となっている。さらに日本では、一般財団法人日本品質保証機構(JQA)から、航空宇宙産業特有の要求事項を織り込んだ品質マネジメント規格「JIS Q 9100」の認証取得が前提となっている。

つづきは本誌2015年12月号でご購読下さい。

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