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台湾板金業界―多品種少量生産の自動化対応が課題

台湾板金業界―多品種少量生産の自動化対応が課題

2015年のGDP成長率予想は3.28%と前年を下回る

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画像:台湾板金業界―多品種少量生産の自動化対応が課題ファイバーレーザ複合マシンLC-2515C1AJをはじめとした4台の複合マシンが並ぶ、微勤電機股份有限公司の板金工場

円安の影響を受ける台湾工作機械業界

半年ぶりに台湾を訪れた。台北・松山空港に降り立つと、熱気が体を包み、サウナ風呂にでも入っているようだ。メガネやカメラのレンズも見る間に曇ってしまう。

最近の円安の加速により、業種によっては台湾企業が打撃を受けている。その代表例が工作機械業界。台湾の工作機械業界は生産量で世界7位、輸出量で世界4位の座にある。しかし業界関係者によれば、円安によって台湾企業は日本製部品の調達コストが抑えられる一方で、日本製工作機械の価格競争力が強まり、台湾の工作機械業界が打撃を受けているという。

日本は工作機械の輸出国としてドイツとトップを争う世界2位であり、円安によって日本製工作機械の価格競争力が高まったことで、台湾企業にとっては台湾国内市場や東南アジア市場での価格競争力が落ち、脅威となっている。

台湾機械輸出組合の見込みでは、2015年の工作機械の輸出額は前年比で15%程度の落ち込みが予測されている。そのため、一部の大手工作機械メーカーの中には、採算性の悪化によって工場建設などの設備投資の凍結を余儀なくされる企業も現れ、厳しい経営環境にさらされている。

一方、半導体・FPDや工業用コンピュータ(IPC)などのIT関連業界は好調。IT業界の中には増産対応するため、台南・新竹など台湾IT産業の集積地で工場建設がさかんに行われている。さらに台北、台中、台南、高雄などの都市部ではショッピングモールや高層ビル、マンションの建設も目立ち、建築業界も好調。業種間での明暗が表れている。

つづきは本誌2015年9月号でご購読下さい。

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