Sheetmetal World

サプライヤーの開拓を契機に板金工場を起業

日本への留学と就業の経験をビジネスへ活かす

厦門華普勝鈑金製造有限公司(Xiamen Huapusheng Sheet Metal Manufacturing Co.Ltd.)

LINEで送る
Pocket

画像:サプライヤーの開拓を契機に板金工場を起業今年3月に導入したファイバーレーザマシンLCG-3015AJ+LST-3015G

中国南部・福建省を代表する板金工場

厦門華普勝鈑金製造有限公司は、中国南部福建省を代表する板金企業。本社工場は福建省の港町、厦門(アモイ)市北部に中国国家科学委員会と厦門市政府が共同で設立した厦門火炬高新区にある。設立されたのは2003年1月。工場総面積は2万8,000㎡、社員数は300名、精密板金加工と機械加工を中心に開発・設計、生産、販売へと業務を拡大しながら業績を拡大してきた。

画像:サプライヤーの開拓を契機に板金工場を起業邱尓清総経理

創業の経緯

創業者である邱尔清総経理は福建省の出身で、1988年から日本に留学、学生時代のアルバイトの経験から日本の製造業の考え方に大きな感銘を受けた。大学卒業後は帰国せず、日系企業に就職し、生産現場で日本のモノづくりを目の当たりにして感動を覚え、やがて日本のモノづくりの考え方を中国に持ち帰りたいと考えるようになった。

そして2001年、ある日本人の友人から、厦門でローカルの板金サプライヤーを探したいので通訳として同行してほしいという依頼を受け、通訳として同行した。ところが当時の厦門には日本の高い要求に対応できる板金工場は皆無。困惑した友人を見て、これはひとつのビジネスチャンスだと考えた。邱総経理は2002年、自らの手で板金工場を創業して、友人の仕事を助けようと決意した。

中国では昔から「工欲善其事、必先利其器」(工、その事を良くせんと欲せば、必ずその器を利とす)という故事がある。これは『職人が立派な仕事をしたいと思ったらまず道具を研ぐ』という意味。当時、中国の板金工場では中国製の設備が多く用いられ、外国製の設備を導入していたのは一部の国営企業など大手企業に限られていた。邱総経理の頭の中では、板金加工業を始めるのであれば、高度な設備を導入しなくては、という思いが強くなっていった。

しかし創業当時、創業者である総経理自身が板金の経験がゼロであるばかりでなく、資金力もなく、ゼロからのスタート。だからこそかえって、中国産の設備より最高級のアマダの設備がほしい、という思いは強くなった。その思いが通じたのか、知り合いの日本人経営者の工場からアマダ製の中古マシン3台を譲り受けることができた。そこで、家族・親戚・友人からも開業資金を集めた。さらに社員を募集して、10カ月後の2003年1月に工場を立ち上げることができた。

画像:サプライヤーの開拓を契機に板金工場を起業左:パンチングマシンEMZ-3610NT/右:ベンディングマシンRG-M2 1003などが並ぶ

会社情報

会社名
厦門華普勝鈑金製造有限公司(Xiamen Huapusheng Sheet Metal Manufacturing Co.Ltd.)
総経理
邱尓清
住所
中国・福建省厦門火炬高新区(翔安)産業区洪渓路3-7号
電話
+86-592-7763566
設立
2003年
従業員数
300名
業種
中低圧配電盤部品、電力設備、通信設備、制御キャビネットの製造及び特殊品の開発、設計など
URL
http://www.banjin.cn/

つづきは本誌2015年8月号でご購読下さい。

LINEで送る
Pocket

関連記事

Sheetmetal World記事一覧はこちらから