特集

曲げ加工の自動化に対応する最新ソリューション

小物曲げロボットEG-ARにより曲げ工程の自動化を推進

女性の積極採用、デジタル化・自動化により人材不足解消と付加価値改善を目指す

有限会社 光真製作所

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画像:小物曲げロボットEG-ARにより曲げ工程の自動化を推進左:2014年11月に導入した全自動曲げ加工システムEG-6013AR/右:全自動曲げ加工システム用CAMによるシミュレーション画面

精密板金加工分野で設備とともに成長

㈲光真製作所は、親戚の板金工場で工場長を務めていた中田宗春会長が独立し、夫人や娘の藤井永法子(なおこ)現社長とともに1975年に創業した精密板金加工企業。当初はシャーリング、プレス、ボール盤などの設備でフラットバーの穴あけ加工などを中心に行っていたが、1982年にベンディングマシンを導入し、板金加工を手がけるようになった。

1986年にはパンチングマシン・LYLAを中古で導入。生産効率が格段に向上し、電気・通信、電設関連、家電、アミューズメント関連などの分野を中心に成長。1995年頃からは付加価値改善のため溶接工程を本格的に強化し、事業を拡大していった。

1998年にはCAD/CAMとネットワークシステムを導入し、異なる3社のパンチングマシンが混在する中でプログラム作成を一本化。2004年には輸入機のレーザマシン(3.2kW)を導入、ステンレス製品の受注を強化した。2008年にはYAGレーザ溶接ロボットYLR-1500Ⅲ、2010年にはパンチ・レーザ複合マシンEML-3510NTを棚・TK付きのセル仕様で導入し、それ以来“自動化”を推進。1975年の創業以来、ほぼ10年単位で、設備の強化とともに抜き・切断から曲げ、溶接へと事業領域を拡大し、デジタル化、自動化への対応を強化してきた。

1988年に2代目社長に就任した藤井永法子社長は、就任以来、積極的な設備投資を続けてきた。

藤井社長は「機械はムダにならない、機械がないと仕事はできない――そういう考えで設備投資を続けてきました。私自身、会長が創業したときから現場で加工に携わり、いつも良い機械がほしいと思っていましたから、力のある機械はどんどん入れていきたい。設備の入れ替えでお世話になってきた機械を出す(廃棄する)ときには、いつも泣けてしまいます。とりわけ会社の発展期に活躍してくれたLYLAを出すときは、涙があふれて仕方がありませんでした」と、モノづくりに対する強い思い入れを語ってくれた。

画像:小物曲げロボットEG-ARにより曲げ工程の自動化を推進左:創業者で取締役会長の中田宗春氏/右:代表取締役の藤井永法子(なおこ)氏

“人材不足”が課題となる中、自動化を推進

現在の得意先は25社前後。製品は電気・通信機器、電力関連機器の筐体や機構部品が中心で、主要5社で売上全体の70~80%を占める。

使用材料は鉄(SECC)とステンレスがおよそ半々。溶接を強化した1995年頃と、レーザマシン(3.2kW)を導入した2004年からはステンレスの割合が高まってきた。

ロットサイズは平均すると20~30個だが、単品から数百個、数千個までと幅広い。リピート率は90%超と高く、ロットサイズが数百個という製品も多い。そうした受注形態の中では、デジタル化によるデータの2度づくり防止などの合理化や、自動化への対応が大きな課題となっていった。

藤井社長の子息である藤井克実専務は「人材不足も深刻な課題です。特に技術をもった人材の確保がどんどん難しくなっている今、機械でできることは機械に、ソフトに任せられることはソフトに任せ、スキルをもった社員にはより付加価値の高い仕事や人材の育成を任せていかなければなりません。以前はすべての製品をベテラン作業者が加工したり、曲げであれば少なくとも段取りまではベテラン作業者が行う必要がありました。しかし機械とソフトの技術革新が進み、省熟化が進んできたことで、特にリピート生産では経験が浅い作業者でも段取りから加工まで対応できるようになっていきました。そうした環境の中、現在力を入れているのはデジタル化の次の段階―“自動化”と付加価値の創出です」と語っている。

画像:小物曲げロボットEG-ARにより曲げ工程の自動化を推進①EG-ARによる自動金型交換/②材料ステーションからブランク材を取り出す/③曲げ加工/④材料のつかみ替え

会社概要

会社名
有限会社 光真製作所
取締役会長
中田 宗春
代表取締役
藤井 永法子(なおこ)
住所
栃木県小山市大字栗宮836-3
電話
0285-45-5431
設立
1975年
従業員
29名
事業内容
精密板金加工一式
URL
http://koshin-mfg.co.jp/

つづきは本誌2015年7月号でご購読下さい。

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