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薄板加工技術をさらに追求するためファイバーレーザ溶接ロボットを導入

設計部門の強化と育成に取り組む

株式会社 西岡鉄工所/西機電装 株式会社

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画像:薄板加工技術をさらに追求するためファイバーレーザ溶接ロボットを導入左:ファイバーレーザ溶接ロボットFLW-4000によるファイバーレーザ溶接/右:全周溶接したカバーの溶接面

制御盤の設計から制御までに精通

㈱西岡鉄工所の前身である西岡組は、1933年の創業。四国別子銅山で使用する機械・器具の製作と修理を行う「工作方」から発展した住友機械製作(現・住友重機械工業)の工場内で、製缶塗装業務の請負事業からスタートした。

1937年に自社工場を持ち、住友重機械工業の協力工場になり、三菱重工業三原事業所の紙工機械や印刷機のカバーなども製作するようになる。1961年に現社名へ改称し、法人化した。各種製品の製作に携わる中で薄板の加工技術を高め、現在は主に制御盤や各種産業機械カバーなどを製作している。

1981年には住友重機械工業が制御盤などの電機組立業務の外注化を進めたことを受け、電装部門を開設。1983年には同部門を分離して「西機電装㈱」を設立した。これによって西岡鉄工所が制御盤の筐体を製作、西機電装が制御部分を担当することで、設計~完成品~検査までを同じ敷地内で行うことができるようになった。

画像:薄板加工技術をさらに追求するためファイバーレーザ溶接ロボットを導入西岡圭社長

造船所で使う大型クレーンの制御盤―電気室を製作

主要製品のひとつである制御盤は、住友重機械搬送システムで製作する大型クレーンに利用されており、その多くが造船所に納められている。それらのクレーンの制御を行う各種制御盤は電気室と呼ばれる制御ボックスに一括収納されており、同社ではこの電気室を設計・生産している。大型電気室は最大で長さ10m×幅3m×高さ3m、内部には、連結された複数の制御盤など各種制御機器を設置している。電気室に一括収納することで、組み込んだ状態でテストを事前に行えるうえ、現場での制御盤の連結作業が不要になるため、作業時間やリードタイムの削減効果が期待できる。

日本の造船業界は2000年代に入って韓国や中国に受注を奪われてきたが、円安による価格競争力の回復や低燃費性などの優位性から競争力が高まり、昨年から新造船の受注が回復している。そのため造船各社では設備投資を活発化させている。今治造船は約400億円を投じ、大型の建造設備(ドック)を香川県丸亀市に建設、2016年10月に稼働する。こうした増産投資によって造船向けのクレーン受注は好調。電気室を製作する同社も多くの受注を抱えている状況である。

画像:薄板加工技術をさらに追求するためファイバーレーザ溶接ロボットを導入左:電装組み込みライン/右:造船用クレーンを制御する電気室の電装組み込み作業

会社概要

会社名
株式会社 西岡鉄工所
西機電装 株式会社
代表取締役
西岡 圭
住所
愛媛県新居浜市多喜浜6-6-35
電話
0897-46-0303(西岡鉄工所)
0897-46-0394(西機電装)
設立
1961年(1933年創業)
従業員
60名(グループ従業員数)
業務内容
各種カバー・制御盤筐体・薄板製缶品製作・レーザ・パンチング加工
URL
http://www.g-nishioka.co.jp/

つづきは本誌2015年7月号でご購読下さい。

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